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ウクライナ支援どうなる?“砲弾製造”米軍需工場を取材

2024年4月20日 12:24
ウクライナ支援どうなる?“砲弾製造”米軍需工場を取材

アメリカの議会下院では、ウクライナ支援を再開するための緊急予算案の採決が20日に行われる予定です。私たちは、ウクライナにも送られる砲弾を製造する軍需工場を取材しました。

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アメリカ東部にある陸軍の弾薬工場。およそ1100度に熱した鉄の塊が次々と筒状に形作られていきます。

ここで製造されているのは「155ミリ榴弾砲」の砲弾。ウクライナに送られている主な砲弾のひとつです。

増田理紗記者(NNNスクラントン)「形作られた砲弾の外郭が正しいサイズになっているか、ひとつひとつ手作業で確認をしています」

職人の手での細やかな品質チェックが欠かせないといいます。工場をさらに進むと―。

スクラントン陸軍弾薬工場担当者「今新しく導入している製造ラインです」

生産量を増やすため、新しい機械の導入が進められていました。

こうした増産の背景にあるのは、ウクライナ侵攻などによる砲弾不足です。

それを解消するため、アメリカは増産を決定。国防総省関係者によりますと、ウクライナ侵攻開始時の1か月の生産量はおよそ1万4000発でしたが、2025年末までに、およそ7倍の10万発まで増産する計画だといいます。

国防総省で武器の調達などを担当した専門家は―。

CSIS マーク・カンシアン上級顧問「アメリカはウクライナ侵攻と中東での衝突が起こった結果、また、中国との紛争の可能性を見据えた時、想定よりもはるかに多くの弾薬が必要になると気がついたんです。だからアメリカは155ミリ砲弾を含む、特定の種類の弾薬の生産を増やしているんです」

世界各地で安全保障環境が揺らぐ中、兵器を必要としない世界への道筋は見えていません。