上がり続ける金の相場と円安の影響で、大きな盛り上がりをみせる「買い取りサービス」。名古屋市千種区の『星ヶ丘三越』で始まったイベント、「大買い取りフェア」の様子を取材しました。

10万円で購入した金貨が29万円超！

次々と重なり出てきた、福澤諭吉。なんともうらやましいやりとりが行われていたのは、名古屋市千種区の『星ヶ丘三越』にて、5月13日まで開催している「大買い取りフェア」。

来店した70代男性が持ち込んだのは、沢山の金貨。男性曰く「天皇陛下（現在の上皇陛下）の、御即位された時の記念硬貨」で、鳳凰が羽ばたく、即位記念の純金硬貨は、当時10万円で発売されたもの。さらに、今の天皇陛下のご成婚記念のものや金のブレスレットなど、持ち込まれた金はさまざまです。

「買ったときには、（1枚）5万円・10万円。多分３倍にはなると思ってます」と語る男性。思わずふくらむ、高額査定への期待。その理由は、現在の“金の相場”にありました。

「半月くらい前まで、ほぼ毎日過去最高を更新していたような状態でした」と話すのは、『Ｋ－ＧＯＬＤインターナショナル』の山田秀之さん。続けて「相場が右肩上がりで、ここ20年近く上がり続けています」と、近年の金の相場について述べます。

世界情勢が不安定になると、相場が上がる傾向にある、金。中東の情勢に加え、円安も影響し、価格は上がり続けています。田中貴金属工業HPによると、2024年5月8日時点で、1グラムあたりの金の価格は1万1,581円（税抜）となっています。

査定を終え、スタッフがはじく電卓に注目する男性。スタッフから、「こちら１０万円の硬貨、一つ３０グラムになります、それが二つあるので、６０グラムで、５９万３８８０円です」と査定額について告げられました。

なんと10万円で買ったものが、29万円超え！約３倍の査定額です。男性が持ち込んだ金は、全部で7点。トータルで、134万2,264円という査定額をたたき出しました。

亡くなったお父さんが買い集めていたという記念硬貨。思い出も込みで、納得の査定かと思いきや、「うーんちょっと考える。ちょっと欲があるんだけど、もう少し上がるんじゃないかなと」と、今日は金を手放さないことを決めた男性。今後の金の相場を見守るそうです。

予想以上の査定額に“満足”する人々

次に現れたのは、80代の男性。持ち込んだのはアクセサリーと、腕時計のバンド部分。「18って書いてあったんですけど…」と話す男性の言葉を受けて、査定スタッフが金の純度を調べます。

査定中、査定額の予想について尋ねると、「いやぁ全然分かりませんそれは。高くなればなるほどいいんですけど」と笑顔を浮かべる男性。この表情、キープを無事キープできるのでしょうか…!?

結果は全部で42万596円！予想以上の査定額に、男性から「そんなにもらえるの」と驚きの声がこぼれます。一番高かったのは、腕時計のバンドで、査定額は約26万円。男性は持ち込んだ金を売り、満足げな表情を浮かべながら現金を受け取り、帰っていきました。

人気が高まる、百貨店での“出張買い取り”

百貨店で実施される、質店の“出張買い取り”が注目を集めています。『名鉄百貨店』ではＧＷ期間中（5月1日～6日）に、質店５社が集結した買い取りフェアを実施。6日間で800人以上が利用し、買い取り総額は、“１億円”を超えたそう。

人気の理由について担当者は、「同時に複数の店舗に査定してもらえること」と「百貨店で実施される」という、“２つの安心感”が注目度の高さにつながっているのではと話します。続けて、円安で海外ブランドのベースが上がったこと、さらに日本の中古品がインバウンド客から人気を集めていることも、高い買い取りが実現している理由として挙げました。

上がり続ける金の相場。円安の影響でブランド品も査定額も上がり続けています。買い取りサービスの盛り上がりは、しばらく続きそうです。