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保守王国で歴史的な勝利 衆議院島根1区補選 立憲・亀井氏が当選 「大きなメッセージが岸田政権に届く」

2024年4月28日 23:05
保守王国で歴史的な勝利 衆議院島根1区補選 立憲・亀井氏が当選 「大きなメッセージが岸田政権に届く」

与野党一騎打ちとなった衆議院島根1区の補欠選挙で、立憲民主党の亀井亜紀子氏が自民党の新人候補を下し、当選を果たしました。

【開票結果:開票率100%】 (投票率:54.62%)
投票総数 14万2,673票(無効票2085票)

立憲・元職 亀井亜紀子氏 8万2691票
自民・新人 錦織功政氏  5万7897票

立憲の亀井氏は、国民民主党や社民党の支援を受けるほか、候補の擁立を見送った共産党が自主支援に回ったことで事実上の野党統一候補となり、自民党の新人候補と激しい一騎打ちを演じました。今回の補選は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件の発覚後、初めて行われた国政選挙で、自民党を強い逆風が襲います。

選挙戦では、両陣営とも党幹部などが続々と応援のため島根入りし“総力戦”を展開。補欠選挙としては異例の選挙戦となっていました。立憲は、選挙期間中に4回島根入りした泉健太代表をはじめ、野田佳彦元首相や枝野幸男前代表などが応援に駆け付けました。対する自民党も岸田文雄首相(自民党総裁)を筆頭に、大物議員や若手・中堅議員が応援のマイクを握りました。

こうした中、立憲は当初から選挙戦を優位に進め、幅広い層から支持を集めました。得票差は約2万5000票。自民党の候補を大きく引き離し、保守王国、自民党の牙城などと呼ばれる選挙区で歴史的な勝利を飾りました。

今回の選挙で特徴的だったのは、保守色の強い仁多郡や隠岐の島郡でも票が拮抗し、従来の自民党支持層の票が一定程度、立憲に流れていた点です。亀井氏は、野党支持層と無党派層に加え、保守層の切り崩しにも成功していたことがうかがえます。

午後8時ごろには、当選が確実となった立憲陣営がセレモニーを行い、亀井氏が心境を語りました。

立憲民主党 亀井亜紀子氏
「保守王国といわれるこの島根県での今回の結果ですから、大きなメッセージとなって岸田政権に届くとは思います。何が私たちをこんなに怒らせているのかということはちゃんと感じていただきたいなと思います」

今回の補欠選挙は島根1区のほか、東京15区、長崎3区でも行われており、立憲は3つの選挙区全てで勝利。自民党は手痛い「全敗」を喫しました。岸田政権の運営や政局への影響は不可避とみられ、今後の動向が注目されます。

このうち、島根1区では、知名度の低い新人候補を支えようと、選挙期間中に2度島根入りした岸田文雄首相(自民党総裁)を筆頭に、党幹部や中堅・若手議員が続々と応援に駆けつけました。ただ、自民党の支持者の中にも、党改革を求める声は根強く、票を固めきれず、浮動票の取り込みもままならず、1996年の小選挙区制導入以来、守り続けてきた議席を失います。厳しい結果に、自民党の錦織氏は悔しさをにじませました。

自民党 錦織功政氏
「亡くなられた細田先生が長く守ってこられた議席を失ったことの責任を痛感しております。ふるさとの発展に向けた思いは変わりません。今後については、自民党島根県連と後援会の皆さんとしっかりと相談しながら決めてまいりたいと思っております」

島根1区の補選は、細田博之前衆院議長の死去に伴い行われたものです。細田氏を巡っては、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係性や女性記者へのセクハラ疑惑、さらに清和政策研究会(旧安倍派)の会長を務めていた時期の裏金問題への関与も取りざたされていましたが、鬼籍に入ったことでいずれの問題も十分に解明されないままになっています。

多くの問題が“清算”されないまま行われた島根1区補選。この結果は、自民党に何を投げかけるのでしょうか。

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