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オレンジジュースの価格が約2倍に高騰 世界的不作で異常事態 国産みかんには追い風か?

2024年5月8日 16:45
オレンジジュースの価格が約2倍に高騰 世界的不作で異常事態 国産みかんには追い風か?
オレンジジュースが異常事態

おいしくて身近なフルーツであるオレンジに今、心配なことが起きています。その影響で、スーパーの棚からオレンジジュースが消える事態も起きていました。

世界的なオレンジ不足 国内メーカーも次々とオレンジジュースの販売休止を発表

名古屋市内のスーパー「ウシヒロ 八熊店」では、同じメーカーの100%ジュースにもかかわらず、グレープやアップルが149円なのに対しオレンジは279円と、100円以上高い値段で販売されていました。

ウシヒロ 大矢智之さん:
「1年ほど前までは同じ値段だったんですけど、2回ぐらい値上がりして、最終的にこの値段になってしまった。(以前は)棚の中にオレンジジュースだけで3種類くらいあったんですけど、今はこのオレンジジュースしか残っていない。異常事態になっています」

この値段に買い物客は「(いつもジュースは)アップルとオレンジはそろえますけど、これだったらオレンジをやめてアップルだけにしちゃうかもしれないですね」と、購入を躊躇していました。

値段の高騰はジュースだけでなくオレンジそのものも。1年前は1玉約150円で売られていましたが、今は50円以上値上げされています。

ウシヒロ 大矢卓専務:
「市場の担当者に『なんでですか?』と聞いたら『円安です』と。とにかく入ってくるのが少なくて」

実は今、世界中でオレンジが不足しているのです。背景にあるのが、主要な生産国であるブラジルの大雨やアメリカのハリケーン。輸入オレンジ果汁の価格は前年同期比で約1.75倍になっています。

その影響は国内においても甚大で、森永乳業の「サンキスト 100%オレンジ」は6月にも販売休止になる見込み。雪印メグミルクは去年4月から「Dole オレンジ 100%」の一部サイズを販売休止。アサヒ飲料も去年12月から「バヤリース オレンジ」の一部サイズを販売休止にしています。

生搾りオレンジジュースの自動販売機 おいしさと楽しさから各地で大人気!

オレンジジュースの異変が起こっている中、「バロー 羽島インター店」の入り口にあるのは、オレンジが大量に入った自動販売機「IJOOZ(アイジュース)」。オレンジ4個分をまるごと絞りジュースを作ってくれる自販機です。値段は1杯350円。

購入した人たちは「おいしい、絞った感じ直で」「中身が見える。ここで絞ってますね」「フルーツとりたいけど面倒だから、手軽に飲めるからいい」と好評でした。

この自販機は去年4月に日本に上陸。それから1日1台のペースで増設し続け、現在、国内に約310台。東海地方には37台が設置されています。

そのおいしさと楽しさから各地で大行列を作り、関東のある自販機では最大90分待ちになるほどの人気ぶり。これだけオレンジが不足し高騰しているのに、なぜ、こんなにも台数を増やすことができたのでしょうか?

IJOOZ 高野美咲さん:
「世界34か国で展開しているところが強み。世界各地の農家と提携しています。不足しているといわれている南米とは違ったエリアなので、安定して供給できています」

国産みかんに集まる期待 オレンジ不足を補えるか?

世界規模のオレンジ不足は、国産みかんにとっては追い風になる可能性もあるようです。

協同乳業は今年4月、国産果汁だけを使用した「農協果汁」という商品を14年ぶりに復活させました。現在は関東甲信越のみの販売ですが、その他のエリアは来年以降に拡大を検討しているということです。発売開始後、想定以上の注文が入っているそうで、同社は「関心が高まっているので、国産果汁の良さやおいしさを知っていただく機会になればいいと思っています」とコメントしています。

オレンジ不足を補うものとして、国産みかんにも期待が集まっているようです。

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