オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件で犠牲となり、大町市で遺体が見つかった長男・龍彦ちゃんの追悼コンサートが14日に開かれました。事件発生から35年、そして教団による松本サリン事件から30年の今年。「事件を風化させたくない」と、龍彦ちゃんのために作られた曲を歌って祈りを捧げました。

♪チームたつひこ　傘木宏夫さん
「社会正義のために戦った坂本弁護士の志と大町の地に埋められた龍彦ちゃんの無念に思いをはせながら追悼する祈りの場をつないでいきたいと思います」

大町市文化会館で開かれた音楽イベントで歌声を披露したのは市民などでつくる「チームたつひこ」と大町市少年少女合唱団です。「チームたつひこ」は35年前の坂本堤弁護士一家殺害事件で命を奪われた当時1歳2か月の長男・龍彦ちゃんに思いを寄せて2007年から演奏活動を行っています。合唱したのは龍彦ちゃんのために作られた「いのちの星」という曲です。

♪チームたつひこ　リーダー　柳澤和夫さん
「命の大切さですよね。世界中いろんなことがありますけれども何で命を奪わなきゃいけないかっていうそんな悲しいことないので、そういうことがない世の中になってもらいたい。そういう思いが一番です」

曲の合間には地元の中学生が事件の3か月前に龍彦ちゃんの成長を喜ぶ母親の都子さんの手紙を朗読しました。

♪来場者は
「歌を聞いてまた思い出しました。つらいですね」「忘れないです」「何であんなことしたんだろうっていう気持ちで涙が出ました」

チームたつひこは来月も市内の祭りで演奏し、事件を風化させないことを訴えます。