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緊急事態宣言始まる 宣言解除はいつ?

2021年1月8日 20:21
緊急事態宣言始まる 宣言解除はいつ?

■緊急事態宣言後、街の様子は?
1月8日、東京では新たに2392人の感染が確認され、4日連続で4桁となりました。重症者は前日よりも8人増えて、129人で過去最多になりました。緊急事態宣言が決まった7日の夜9時頃の東京・渋谷では、多くの人が駅に向かって行く様子がみられました。しかし、時間が深まるにつれて人は減っていくものの、夜11時頃には路上でお酒を飲んだり、マスクをせずに集まったりする若者の姿もみられました。

■都内の人の流れ
6日と7日で人出に変化があったのか。午後10時で比較すると、渋谷センター街は大きく減り、六本木、新橋・汐留も減っています。新宿歌舞伎町はやや増えています。場所によって増減のばらつきはあるものの、繁華街ではおおむね人出が減っているという状況でした。

■緊急事態宣言 東京都の対応は?
緊急事態宣言を受けての東京都の対応についてまとめました。期間は宣言が出ている2月7日までで、まず都民に求めているのは不要不急の外出自粛です。特に「夜8時以降は徹底してほしい」ということです。日中も通勤や医療機関への通院、食料品の買い出しなど、生活に必要な場合以外は外出しないよう求めています。また3連休もステイホームや、都外への移動の自粛も求めています。仕事については、週3日、社員の6割以上のテレワーク実施などで、出勤する人の数を7割削減するよう要請しています。

事業者への時短要請についてです。営業時間は午前5時から夜8時までとして、協力した事業者には店舗ごとに186万円を支給します。対象となるのはレストランや居酒屋、喫茶店などの飲食店、またカラオケ店など飲食店として営業許可を受けているお店も対象です。当初、お酒を提供する店に絞って始めるとの話がありましたが、8日からすべての飲食店が対象になります。

次に、協力金は出ないが時短をお願いしているのが、映画館や劇場、博物館などです。またネットカフェ、マンガ喫茶、学校、学習塾については、自粛は求めませんが、感染対策を徹底してほしいと呼びかけています。

■新型コロナウイルスによる深刻な影響
7日、コロナによる影響について、深刻な数字が発表されました。民間の調査会社・帝国データバンクのデータです。コロナの影響で倒産した事業者が、7日の時点で全国で872件にのぼっています。業種別にみると、最も多いのが飲食店で135件。このうち4分の1が居酒屋ということです。次に多い業種はホテル・旅館で、72件ありました。これは都心のビジネスホテルより、地方の温泉旅館が多い傾向です。その他、食品卸、タクシーやバス会社、結婚式場、美容室など多岐にわたっています。

分析によると、以前は元々業績が良くない事業者が、新型コロナが最後の一押しとなって倒産するケースがほとんどでしたが、近頃は業績が良かったところも、新型コロナが長引いて体力が限界となり、倒産しているということです。

さらに厚労省によりますと、コロナの影響で解雇などになった労働者は8万121人。緊急事態宣言で、さらに増える可能性もあります。

■緊急事態宣言「解除」の目安
気になるのが、「どういう状況になったら宣言が解除されるのか」です。政府の基本的対処方針では、感染状況が現在の最も深刻な「ステージ4」から「ステージ3」の水準まで下がることが目安として示されました。西村経済再生大臣は、東京に当てはめた場合、「1日あたりの新規感染者数が500人を下回ることだ」としています。しかし専門家からは「ステージ3相当ではなく、ステージ2に近い状況が確認できてから解除すべき」との意見が相次いだことから、最終的には対処方針には「宣言解除後も、必要な対策はステージ2相当以下に下がるまで続ける」との文言が追加されました。

■解除目安について専門家は
「500人」はあくまでも目安のひとつとして示された数字ですが、これについてグローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝医師に聞いてみました。「500人といった数値が出てくると分かりやすい目標にはなるが、それよりも大事なことは、全体のトレンドとして新規感染者数のグラフのカーブが右肩下がりになっていることを確認することだ」ということです。前日と比べて減った・増えたと見るのではなく、同じ曜日で、前の週、さらにその前の週、と比べてどうかが大切だということです。4週間ぐらい続けて減っていれば、アクセルが弱まってブレーキが利いている状態だと理解できるので、同じ対策をしていれば緩やかに落ちていくと予測がつく。感染者数をグラフにしたとき、右肩下がりのカーブが確認できれば、「500人」という数字にこだわる必要はないということです。

緊急事態宣言によって、大勢の人々の生活に大きな負担がかかることになります。その分、少しでも早く効果を上げるためには、水際対策など見直すべきところを徹底的に洗い出し、同時並行で対策を進めていくことも重要です。
(2021年1月8日16時ごろ news every.「ナゼナニっ?」より)