市川團十郎「縛られたソーセージみたいな」 女方を演じるにあたり“厳しい”こと
昼の部では、『新歌舞伎十八番』から『大森彦七』、『船弁慶』、『高時』、『紅葉狩』の四演目が一度に上演される今回の舞台。團十郎さんは、2007年博多座以来18年ぶりに、『船弁慶』で静御前/新中納言平知盛の霊を勤め、さらに2006年歌舞伎座以来19年ぶりに『紅葉狩』で更科姫実は戸隠山の鬼女を勤めます。
『船弁慶』の前半では、静御前の愁嘆の舞、後半では知盛の霊の迫力を見せる女方と立役を踊り分け、『紅葉狩』では、高貴な姫から猛々(たけだけ)しい鬼女への変化と、それぞれ異なる魅力を持つ役柄を演じ分けます。
普段あまり女方を演じることがないという團十郎さん。女方を演じるにあたり「本当に女物の衣装というものを着ると、自分でいうのは変ですけどかなり厳しいですね」と一言。続けて「女方は自分的には厳しいですけど、ビジュ(ビジュアル)的にはそこら辺の人とそんなに変わらない感じにでき上がっているかなと思うので、まぁまぁかわいらしくやろうかなと…」と話し、報道陣の笑いを誘いました。
そこで、具体的にどのような部分が厳しいのか聞かれると「帯の位置も違いますし、普段いくら締めても立役の帯っていうのは腰から腹の下の丹田あたりまでなんですけど。女方はここ(胸下)まで締めるので、私の場合は男性骨格なので大変なんですよね」としみじみ。
さらに「僕はどちらかというと(体形が)逆三角形なので、ここ(胸下)を締められると、上が縛られたソーセージみたいな。上がきついぞみたいな。ちゃんとやってますけど、個人的にはかなり苦しいな、苦しいなって、もう苦しいなって。もう苦しいしか出てこないです」と冗談交じりに明かしました。