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板垣李光人 ファッションの祭典『メットガラ』を取材 “差別や偏見などをかき消すことができるように”

2025年5月14日 22:45
板垣李光人 ファッションの祭典『メットガラ』を取材 “差別や偏見などをかき消すことができるように”
ファッションの祭典『メットガラ』を取材した板垣李光人さん(5月7日放送『news zero』より)
アメリカ ・ニューヨークにあるメトロポリタン美術館で行われたファッションの祭典『メットガラ』。デザインを通じた社会的メッセージを『news zero』水曜パートナーで俳優の板垣李光人さん(23)が取材しました。

『メットガラ』の記者会見が行われたメトロポリタン美術館には、ファッション界をけん引する各国のデザイナーや編集者たちの姿がありました。そこには、ニューヨークのラグジュアリーブランド『トムブラウン』の創業者・トム・ブラウンさんの姿も。

偶然この日、トム ブラウンのスーツを着用していた板垣さんは「初めまして日本から来た板垣李光人です」と自己紹介。すると、トム・ブラウンさんは「君ステキだね。今日は私にとって特別な日です。このショーはファッションが芸術だという証明ですから」と挨拶しました。

他にも、メットガラの主催者でファッション誌『ヴォーグ』の編集長のアナ・ウィンターさんの姿もありました。映画『プラダを着た悪魔』に登場したカリスマ編集長のモデルとも言われる人物です。板垣さんは「これだけ間近でお話しできる機会めったにないのですごくうれしかったです」と興奮気味に感想を明かしました。

記者会見から8時間後、会場は様変わりし華やかな衣装に身を包んだ世界的セレブたちが参加する『メットガラ』が開幕しました。シャネルのハットとドレスで登場したBLACKPINKのJENNIEさん、歌手のダイアナ・ロスさんは5メートル以上の巨大なドレスを披露し圧倒的な存在感を見せました。

■メットガラ 社会的メッセージを発信

『メットガラ』とは、メトロポリタン美術館の資金集めとして開かれる、年に一度の完全招待制イベントです。世界に配信されるレッドカーペットの後には、メディア非公開となる食事会が開催され、参加費はなんと一人数千万円にのぼるともいわれています。そして、膨大な参加費は美術館の活動資金として活用されます。

美術館では、テーマに合わせ企画展が行われていました。今年のテーマは黒人が生んだファッションに光を当てる“華麗なるブラックスタイル”。会場に入るとまずに目についたのはタキシード用の腰巻き・カマーバンド。そこには『SEE US NOW?』というメッセージが。日本語で「私たちのことが見えていますか?」を意味しています。

実はこれは、2020年に広がった黒人差別への抗議運動『ブラック・ライブズ・マター』の時期に制作されもので、社会への訴えを表現したデザインです。板垣さんは「カマーバンド(腰巻き)ってタキシードを着る上でとても正式な物になるので、非常に大きな意味があるのではないかなと思います」とコメントしました。こうした社会的メッセージを発信するのもメットガラの特徴の一つです。

それはレッドカーペットの著名人の衣装にも表現されていました。歌手のジャネール・モネイさんが着用している時計の針があしらわれた片眼鏡。これは、黒人の歴史を敬い未来をも敬っていくという思いが表現されているといいます。

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■デザイナーを取材 “黒人としてのアイデンティティーや歴史に誇りを持ってほしい”