【一問一答】素晴らしいリーダーだった

「ザ・ワイルドワンズ」のメンバー・鳥塚しげき(68)、植田芳暁(67)、島英二(67)の会見の主な一問一答は以下の通り。
——加瀬邦彦さんと最後に会ったのは?
鳥塚「昨年3月はじめに倉敷でのコンサートが終わった後、楽屋で話があると言われて。病気になって手術を受けるから、これから一緒にライブができないよって。2日後に食事をしようってみんなでまた会った。島くんは最近も会ったんでしょ?」
島「先週の15日に加瀬さんの自宅にうかがって、3〜40分話をした。ケーキをつまんだりして。だいぶ話せるようになって、(調子が)いいんだなと思った。奥さんの“通訳”で話してくれて。調子いいんですか?と聞いたら、(今から思うと)遠くを見つめているような感じもあった」
——加瀬さんから学んだことは?
植田「音楽は楽しむことが大事だと教わった。素晴らしいリーダーでした。あの方のおかげで日本武道館で単独ライブもできましたし、高みに連れていってくれた。バンドはそれぞれ、個人個人やりたいことがあるし、違う音楽も好きだけど、休みになれば、みんなでサイパンに行ったり…」
島「ほかのバンドの人たちからも『お前たちは仲がいいね』ってよく言われた。釣りやテニス、ゴルフをしたりね」
鳥塚「時々、怒られましたね。2年に1回ぐらい。ステージで僕らが調子に乗って悪ふざけをすると…」
植田「普段、温厚だから、怒るとキクんですよね。真剣に音楽を楽しまないと、お客さんに伝わらないよって教えてもらった」
——加瀬さんの一番思い出す表情は?
植田「サイパンのホテルで、家族がプールで泳いでいるのを見つめる優しい目とか、プールサイドでギターを弾きながらビートルズを歌ったり。あのときの『音楽がいとおしい』という表情が忘れられませんね」
島「夕焼けや朝日を見ながら、海辺でジントニック片手に飲んだりね」
——納棺のときの家族の様子は?
島「昨日、奥さん、息子さんと話をしていたら『お父さんは最後まで突発だったね』って。急に決めて急に行動する人だったから、最後の最後までそうだったねって。ポリシーを通したのかな」