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口上撮影に幸四郎「うれしゅうございます」

2017年3月29日 13:26
口上撮影に幸四郎「うれしゅうございます」

 歌舞伎俳優の松本幸四郎(74)、市川染五郎(44)、松本金太郎(12)が29日、東京・歌舞伎座で高麗屋三代口上スチール撮影を行った。

 2018年に、幸四郎が二代目・松本白鸚(はくおう)、染五郎が十代目松本幸四郎、金太郎が八代目市川染五郎をそれぞれ襲名することになり、その襲名行事のスタートとして、親・子・孫三代そろっての口上を写真家の篠山紀信氏(76)が撮影。
 歌舞伎座の舞台上での口上撮影は初めての試みで、幸四郎は「私も本当にうれしゅうございます」と喜びをあふれさせた。

 直系三代の同時襲名は1981年に行われた初代白鸚、九代目幸四郎、七代目染五郎の襲名以来。幸四郎は「三代襲名をいたしまして、父(初代白鸚)はその翌年の1月に亡くなってしまった。今にして思うと、父は自分も息子も孫も、3人で歌舞伎に命をかけた。そのころはあまり自分として(父に)親孝行ができなかったんですけど、やっとこれで少しは親孝行ができたかな」と、しみじみ語った。

 染五郎は「本当に(その間に)いろいろな人がいなくなってしまいました」と亡き先達を思い、瞳を潤ませた。
 「幸四郎になるというのを目標にしたことは正直一度もありません。それは歌舞伎役者であり続ける、いろいろな憧れの舞台をしたい、役を務めたいということのみでやってまいりました」と前置きしたうえで、「ただ、その方たちに教わったこと、出会ったことをここでご披露するというのがこの襲名の役目ではないかなと思っている。後ろ向き(な言葉)ととらえるかもしれませんが、それが正直な気持ちです。それは自分の中に生きているので、それを皆さまにご披露したい」と襲名に込めた思いを打ち明けた。

 金太郎は「きょう、この口上の写真を撮って、少し(襲名への)実感がわきました」と緊張の面持ち。
 取材陣から「ちまたでは美少年とうわさされていますが、そのことをどう思いますか?」と聞かれると困り顔になり、染五郎が「気分は悪くはないよね」と助け船。「皆さんが美少年と言ってくださるなら、美少年じゃないですかね」と付け加え、笑いを誘った。