元宝塚トップ・紅ゆずる「劇場を爆笑の渦にしたい」……稀代のコメディエンヌが追求する「笑い」の理想の形とは
■アドリブは好き勝手には入れない
(安藤アナ):紅さんはアドリブも多い印象があります。アドリブは練ってするものですか、瞬発力ですか。
アドリブは要求される時はします。例えば演出家の先生が台本に括弧書きでアドリブと書いてある場合がある。そういう時はそこでアドリブ絶対すると決めています。それが演出なので。それ以外は、例えば自分が好き勝手に入れることは一切なかったです。
例えば、何かトラブルがあってアドリブで繋ぐということはありました。例えば『ANOTHER WORLD』で出演者が「ベルサイユの蓮」というフレーズを「ベルサイユのばら」と言ってしまった。そこで「な、もっかいやりなおそ」と言いました。上級生ですけど、役どころとして。「な、もっかいやりなおした方がいいよな」「うん」と。
(中島アナ):機転がすごいですね。
あとは、ここでもう一つほしいなと思う時ですね。その場合、舞台監督や進行さん、組長さんや演出家の先生にご相談して「私、これやりたいです」と一言言っておく。じゃないと例えば転換で盆が回るタイミング、セリが下がるタイミングで変なアドリブ入れちゃうと事故が起こってしまうかもしれないので。「どこが転換ですか」と確認して舞台装置が動く時のアドリブは避ける。そこにかからないところでアドリブ入れるということをやっていましたね。
(中島アナ):フリーダムにランダムにという雰囲気を出しつつ、そこはしっかりと押さえた上でやっているんですね。
フリーダムにランダムにやってるように見せるということが私は目標だったんです。「ホント好き勝手やるよね」という男役でいたかった。
(中編に続く)
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『アプレジェンヌ 〜日テレ大劇場へようこそ〜』は日テレNEWS24のシリーズ企画。元タ カラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。次回ゲストは「花組のアニキ」と慕われた瀬戸かずやさんと9月に退団したばかりの飛龍つかささんです。