“はみ出す”ことで風穴を開ける 組織にイノベーション生む“出島組織”とは?

『出島組織サミット in TOKYO』が14日、都内のイベント会場で実施され、約200人が参加しました(主催者発表)。主催者によると、“出島組織”とは、長崎県の出島のように「本体組織からなんらかのかたちではみ出して、新しい価値を生む組織やチーム」のことで、企業や自治体などの中で広がりを見せているといいます。
イベントでは、出島組織の担当者らのトークセッションが実施され、さまざまな企業や団体での事例が紹介されました。
■7割が障害や難病と向き合う花屋さん 「ともに働くことがポジティブに」
フラワーショップを運営する株式会社ローランズでは、社員80人のうち約70%が障害や難病と向き合うスタッフだといいます。業界でこれまで当たり前だとされていた、仕入れから配送までの全ての工程を1人のスタッフが担う固定観念から“はみ出し”、工程を細かく分けてそれぞれのジャンルのプロフェッショナルを育成することにより、幅広い人材が働ける環境を実現したそうです。
さらに、単独では障害者を雇用することが難しい中小企業が組合を作り、共同で障害者を雇用している事業所に業務を発注することで、組合に所属する企業全体の障害者雇用率を上げていく取り組みを進めています。代表の福寿満希さんは、「障害者雇用だと“できないこと”を確認しながら仕事を作っていく引き算になりがちだけど、“できること”を足し算しながら本人も成長していくことができると、(障害者と)ともに働くことがポジティブになっていくと思う」と話しました。
■風穴を開けて閉塞感を打破 「新しいことを生み出しやすい環境が作れる」
イベントを主催した『出島組織サミット』の実行委員長・鳥巣智行さんは、出島組織は「新しいことを生み出しやすい環境が作れる」とし、「風穴を開けるやり方の一つ。右肩上がりの成長が見込めない閉塞感がある中でこの手法でいろんな人が“はみ出して”新しいことを作ってくれたらいい」と期待を寄せました。