小栗旬&松坂桃李「すごく反省しました」 5年前のクルーズ船でのコロナ感染拡大 改めていま思うこと
二人が共演したのは、横浜に停泊したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで発生した新型コロナウイルスの集団感染を題材にした映画『フロントライン』(6月13日公開)。当時の関係者への取材をもとに製作された作品で、小栗さんはDMAT(災害派遣医療チーム)の指揮官である結城英晴、松坂さんは厚生労働省の役人・立松信貴を演じました。
■映画のオファーを受けて「やらないという選択肢はないな」
――オファーを受けたときは、率直にどんなお気持ちでしたか?
小栗:やるべきものだなと思いましたし、数々の取材に裏付けられた物語になっていたので、脚本を読んだ限りは「やらないという選択肢はないな」という感じでした。
松坂:僕もやるべきだと思いました。参加すべきだと思いましたし、参加することはとても意義のあることだと思いました。第一線で闘っていた人たちがいたことを伝える仕事が僕らの仕事だと思うので、「やらせていただきます。お願いします」という気持ちでした。
■役を演じて気づいたこと
――ダイヤモンド・プリンセス号の報道を知った時、最初にどう思いましたか?
小栗:最初に知った時はまだそんなにネガティブな思いもなく、「一体何が起こっているのかな」という印象だったと思います。
松坂:そこまで恐怖だったり大きな不安が、まだ自分と距離が少しあるような状態という認識でした。
――実際に演じてみてどんなことに気づきましたか?
小栗:そうですね。ひとつは「自分の受け取った情報だけで判断してはいけないな」ということはすごく思いました。今僕たちってものすごい情報の中に生きていて、“調べた気”になることって意外と簡単だと思うんです。そうなった時が一番危険だなって思いますし、当時はかなりずさんな対策をしているんじゃないかと思ってしまっていた自分もいたので、そこはすごく反省しました。
松坂:反省しましたね僕も。
――松坂さんは、当時の印象と違った点はありますか?
松坂:船内の状況だったりとか、どういった葛藤を抱きながらDMATの方たちが患者の方と向き合っていたのかっていうことも当時はわからなかった。ダイヤモンド・プリンセス号で船内感染して医療体制がずさんな感じですというようなネガティブなものを受けた後に、この先どうなっていくんだろうという報道を僕はあんまり聞いたことがなかったので、その先のことも本作で知ることができたのはとても大きなことだと思いました。