【レコード】あえて手間をかけて音楽を聴く/昭和歌謡に新鮮さを感じる若者が“急増” 特に“80年代”が人気なわけと受け継がれる“物”としての魅力

2025年は昭和100年に当たる年。アナログレコードからカセットテープ、CD、そして現在の配信サービスと音楽の聴き方は大きく変化している。
そうした中、今、若い世代を中心に再びレコード、そして昭和当時の音楽が注目を集めている。なぜ、あえて手間がかかるレコードで、昭和の音楽を聴くのか。若者が感じている“魅力”に迫る。
■「レトロでおしゃれな物を手軽に」横浜高島屋で“昭和100年記念イベント”レコード販売も
横浜高島屋では、昭和100年を記念した催しが行われている。
4月23日から昭和の日である4月29日まで、昭和の喫茶店や音楽を楽しめるということで、当時を懐かしむ人々の姿が。
高島屋宣伝部の齋坂有希さんは、「昭和100年を盛り上げたいと考えたところ、グルメやレコード、古着など当時の物に触れる体験を提供したい」という。
中でもレコードを取り扱うコーナー「80‘s POP グラフィティ」では、平成生まれだという齋坂さんが強く関心を持っている“80年代”に焦点を当てている。「若者からすると、80年代の文化は、キラキラしていて、新しく、かっこいい」
レコードだけでなく、古着やプロマイド、雑誌など昭和の文化にまつわる物が多く販売されている。
当時を懐かしむだけでなく、今の若い世代の琴線に触れる、選りすぐりの物を集めているという。
この昭和100年の催しを通して、齋坂さんは「昭和文化に関心を持つ若い世代が、もっと身近にレトロでおしゃれな、昔からある良い物を発掘できる場所を提供したい」という。
配信などで手軽に音楽が聴ける昨今、アナログレコードが若者の関心を集めている事について昭和歌謡館スタッフの岩崎晃一さんは、「音楽を聴く媒体という以上に、“物”としての魅力を感じている人が多い」と語る。
細かく作り込まれているレコードのジャケットをグッズとして欲しがる若者も多く、近年人気なアーティストがレコードを発売しているのも、その需要が高まっているためであり、物としての魅力の1つであるとのこと。
また、デジタル向けにマスタリングされていない、当時の録音の音声を楽しむ事ができるという点は、レコードという物ならでは。実際に、配信サービスの音声と違いを聴き比べるのも良いという。