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【レコード】あえて手間をかけて音楽を聴く/昭和歌謡に新鮮さを感じる若者が“急増” 特に“80年代”が人気なわけと受け継がれる“物”としての魅力

2025年4月25日 12:00
そうした中、なぜ“昭和歌謡”のレコードを求める若者が多いのだろうか。

岩崎さんによると、「現在レコード需要が高い10代~20代の若者の親世代が、80年代当時にレコードを集めていたことが大きい」という。

実際、親から譲り受けたレコードをきっかけに関心をもつという若者が、多く訪れるとのこと。中には、中学生が親子揃ってレコードショップに訪れる客も。

また、80年代当時にレコードを集めていて、聴かなくなったため売りにくるお客さんが多くいるが、近年の需要の高さから、当時300円程度で購入していたレコードが、数万円の値段がつくこともあるとのこと。

以前は、60年代~70年代のレコードが多く売れていたというが、ここ10年近くで80年代のレコードの需要が急激に高まっているというが、なぜだろうか。

その理由の1つとしてあがるのは、楽曲のクオリティの高さだと語る。「当時は比較的景気も良く、1つの作品に注げる労力、熱量がかなりあった」

そのため、ジャズやAOR (アダルト・オリエンタル・ロック) の要素を吸収した歌謡曲など、挑戦的な作品が多かったことで、それぞれの楽曲の個性が強く、若者の注目を集めるきっかけとなっているそう。

当店で働く20代のアルバイトスタッフ岡和田力哉さんは、昭和歌謡を好きになったきっかけについて「近年のアーティストが作品を作る上で、影響を受けている事を知って聴くようになった」と語った。

また、昭和歌謡の魅力について、「ジャンルにとらわれず、様々な要素を取り入れている80年代の歌謡曲は、若い世代から聴いても新鮮な物が多い」ということだ。

■“レコードに興味を持ち始めた人へ”知識と体験が得られる新たなレコードカフェ

座席に1人1台レコードプレイヤーが置かれているこちらのカフェ。手ぶらで訪れても、レコードを楽しむことができるという。

このレコードカフェのスタイルは、韓国で話題となっていたものを日本で再現すべく、レコードショップの多い渋谷に店舗を構えたとレコードカフェRECOCOオーナーの川浦敦也さんは語る。