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“障害があると行きづらい” 百貨店を「いろんな人が普通に来られる」場所に ヘラルボニー初の旗艦店を取材

2025年4月5日 6:35
“障害があると行きづらい” 百貨店を「いろんな人が普通に来られる」場所に ヘラルボニー初の旗艦店を取材
岩手県盛岡市にオープンした『HERALBONY ISAI PARK』を取材
障害のある作家のアート作品を扱う企業『ヘラルボニー』が3月29日、岩手県盛岡市にある創業150年を超える百貨店に旗艦店をオープンしました。そのコンセプトは、“誰もが集える、新たに開かれた公園”。“障害があると行きづらい場所”との声もある百貨店にオープンした思いを、代表に取材しました。

■フランスに子会社、銀座に常設店もオープンした『ヘラルボニー』

今回、初の旗艦店をオープンした『ヘラルボニー』は、障害のある作家が描くアート作品の著作権を管理し、さまざまなビジネスを展開。障害のイメージを変え、すべての人がありのままに生きる社会の実現を目指しており、去年5月には、世界各国の革新的なスタートアップを評価する『LVMH Innovation Award 2024』で日本企業として初となるカテゴリ賞を受賞。

さらに同年7月、フランス・パリに子会社を設立したほか、先月15日には東京・銀座に都内初の常設店をオープンするなど、成長を続けている企業です。

契約作家のアート作品を、ファッションアイテムや雑貨などに落とし込んだ商品販売を行っていますが、代表である松田崇弥さん(33)、松田文登さん(33)の地元・盛岡では、多様性が尊重される地域に根差したまちづくりの実現を目指し、取り組みを続けています。

盛岡にあるホテルの客室を作家のアート作品で彩り、その宿泊費の一部を作家に還元。宿泊客にとっては、旅先で多様な価値観に触れるきっかけを創り出しています。

また、障害のある作家が描いたアートが、市内を走るバスや電車のラッピングに採用されており、街に『ヘラルボニー』の活動や作品が浸透しつつあります。これまでの活動が評価され、今年1月には盛岡の魅力向上などに貢献した個人や団体を表彰する『もりおか暮らし物語賞』を受賞しています。

■コンセプトは、“新たに開かれた公園”  さまざまな工夫が

こうした取り組みを続ける『ヘラルボニー』が、今回盛岡にオープンしたのが『HERALBONY ISAI PARK』。創業150年を超えるカワトク百貨店の象徴ともいえる、1階正面エントランスの並びにあるフロアの区画にオープンしました。

店内には、カフェやギャラリー、ショップが併設されており、作品を見ながら食事をしたり、作家のアート作品を使用したハンカチなどの商品を購入することができます。