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コンクラーベ描く映画『教皇選挙』が大反響 宣伝担当「現実と映画がシンクロする類稀な状況」

2025年5月8日 21:02
コンクラーベ描く映画『教皇選挙』が大反響 宣伝担当「現実と映画がシンクロする類稀な状況」
映画『教皇選挙』のヒットについて宣伝担当に取材 『教皇選挙』(全国公開中)配給:キノフィルムズ (c) 2024 Conclave Distribution, LLC.
日本時間の8日未明から始まった次のローマ教皇を決める秘密選挙『コンクラーベ』。そのコンクラーベを描いた映画『教皇選挙』(全国公開中)が大きな反響を呼んでいます。映画のヒットについて宣伝担当を取材しました。

映画『教皇選挙』は新たな教皇選出をめぐって状況が二転三転する様子がサスペンスフルに描かれる作品。第97回アカデミー賞では脚色賞を受賞しました。

日本で3月20日に封切られると各地で満席が続出。4月21日にフランシスコ教皇が死去したことを受け、コンクラーベの実施が決まるとさらに注目度が高まり、前週比216%を記録する日もあるなど、5月7日時点で興行収入7億円を突破しました。公開館数は106館から149館に増加。さらに8日以降、順次28館で追加公開される予定だということです。(配給会社発表)

ヒットについて宣伝担当に取材すると「嬉しい驚きです」と喜びをコメント。その上で「満席になるということは機会損失をしていることでもあるので、上映劇場の拡大や上映回数の交渉を鋭意続けています」と、さらなる拡大公開への意欲をみせました。

映画はフランシスコ教皇が死去する前からヒットしていますが、その要因については「特典なしのオンライン販売にもかかわらず、ムビチケ(前売券)の売れ行きが非常に良く、座席予約が可能になった公開数日前には、都内の劇場では満席回が続出していました。今年のアカデミー賞レースでの高評価や試写会でのフィジカルなクチコミ、作品そのものへの期待が3月の初動に表れたと考えています」と分析しています。

現実のコンクラーベが映画の公開中に開催されていることについて聞くと「映画公開前にカトリック司祭の晴佐久昌英神父から『教皇選挙には人知を超えた聖霊の風が吹くと言われているが、まさにその風がこの映画自体をも吹き抜けている』という推薦コメントをいただきました。4月にフランシスコ前教皇が逝去され、現実と映画がシンクロする類稀(たぐいまれ)な状況になったことが、本作の興行にとっても追い風になったと思います」とコメントしています。

また、観客の感想も担当者に届いているそうで「SNSでは絶対に結末に触れない、という強い意志を感じる感想が多いです。余韻も含めて楽しめる映画として今後鑑賞される方に気遣っていただけている、そういう空気感が生まれているように思います」と明かし「SNSでは『15回観た』という投稿も見られます。背景美術や小道具などディテールに深みがあり、観るたびに新たな発見がある作品です。登場人物ごとのロザリオの違いや、照明の明るさで描かれる人間関係など、繊細な演出が繰り返しの鑑賞を誘っているのだと思います」とリピーターが生まれる要因について明かしました。

最終更新日:2025年5月8日 21:02