レオナルド・ダ・ヴィンチ作品の未完成部分や欠損部分をデジタル技術で復元 鶴岡市で展示会

鶴岡市でいま、「モナリザ」などで知られる世界的芸術家のレオナルド・ダ・ヴィンチが残した作品の未完成部分や欠損部分をデジタル技術で復元した展示会が開かれています。
鶴岡信用金庫が創立100周年記念事業の一環で特別協賛しているこの展示会は、鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで6月5日に開幕しました。イタリアの芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは「モナリザ」や「最後の晩餐」など16点の絵画を描きましたが、現在、完全な形で残っている作品は4点しかありません。「モナリザ」を含む残りの12点は、ダ・ヴィンチが描き切れなかった未完成の部分や欠損して修復の必要がある作品となっています。展示会では、東京造形大学の池上英洋教授らがデジタル技術を使って復元した絵画が飾られています。
復元された「モナリザ」です。
東京造形大学池上英洋教授「実は未完成の部分があってそれが手の部分。これには爪がありますが実際の『モナリザ』には爪がない。そこまで描き終わらなかった」
「モナリザ」の原画には爪が描かれていませんが、池上教授が原画を赤外線で解析したところ、爪を描いた下書きが残っていて、それを元にデジタル技術で爪を復元しました。
また、原画は油絵のため顔にひび割れができてしまっていますが、色彩を分析して元の状態を再現しています。
展示会では、ダ・ヴィンチのタッチや同時代の画家の作品を元に色が塗られていなかった絵画をフルカラーで復元した作品、それに、デジタル技術で再現した未完成のブロンズ騎馬像などおよそ30点のダ・ヴィンチ作品が並んでいます。
鶴岡信用金庫 佐藤祐司理事長「ぜひ若い人たちも来館していただき新たな発見、そしてできれば庄内の再発見をしてもらえたらありがたい」
「ダ・ヴィンチ没後505年『夢の実現』」は鶴岡市の鶴岡アートフォーラムで7月5日まで開かれています。