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経済
2017年12月13日 18:53

広がる働き方 フリーランスが働きやすく?

広がる働き方 フリーランスが働きやすく?
(c)NNN

 働き方が多様化する中、会社に属さない「フリーランス」の人たちが働きやすい環境づくりが進んでいる。フリーランスの中には、子供を育てながら仕事を行う主婦も増えているという。

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■会社に勤めながら「フリーランス」で働く

 東京都内。アルバイトの求人を取り扱う企業「インディバル」では、今年10月にある“働き方改革”を行った。

 渡辺英助・代表取締役社長「フリーランス、あるいは起業ということであれば、特に会社に申請もなく、してもよしというふうにしました」

 こちらの会社に勤めながら、申請や報告なくフリーランスとして他の仕事をすることなどを認めたという。

 エンジニア(20代)「(フリーランスで働ければ)勉強するチャンスも得られると思いますし、単純に自分の実力で何か新しいものを生み出すこともできるかな思うので」

 現在、数人が制度を利用。導入した狙いについて会社側は、社員が外で働いて得た知識や技術が会社に還元されることを期待しているという。

■主婦や子育て中の母親向けの人気講座

 企業などの組織に属さず自らの技術や技能を使い、個人で活動する「フリーランス」。働く人の幅も広がっている。

 都内の「デジタルハリウッドスタジオ 渋谷」ではウェブデザインについて学べる主婦や子育て中の母親向けの講座が開かれている。

 担当者「ここ1年に関しては、毎回満席となる人気のクラスになっています」

 卒業後にフリーランスを目指す人も多いという。教室には子供が遊べるスペースも。受講者は――

 受講者「赤ちゃんがたくさんいるので、泣いてもみんなお互いさまだったり、そういう点がすごく助かるなと思います」

■卒業生のママもフリーランスで働く

 「文房具の新商品が出たので、ウェブサイトに載せる画像を作っています」―スクールを卒業した渡辺綾佳さん(31)は今年6月からフリーランスとして働き、自宅でホームページや、ウェブ広告などを作成している。もともと会社員だった渡辺さん。子育てと仕事の両立に悩み、フリーランスを選んだ。

 渡辺さん「(会社員の時は)保育園に預けるのも12時間預けて、1日がきつきつのスケジュールで動いていて、子供と一緒にいたいという気持ちでフリーランスになりました」

 多い時には一月20万円近くを稼ぐという。

■場所を借り技術で勝負 フリーランス美容師

 先月オープンした都内の美容室「ゴウトゥデイ シェアサロン」。働いている美容師は――

 美容師(30代)「フリーランスの美容師になります」

 美容師(30代)「フリーランス契約というような感じで」

 全員フリーランス。こちらの美容室を借りてカットを行っている。一般的に店ではシャンプーやカットなどを複数のスタッフで手がけるが、ここで行うのは全て美容師1人。

 美容師(30代)「『いらっしゃいませ』から『ありがとうございました』までできるのは、美容師としてはお客様と100%つながっていると思えるのですごくいいです」

 お客1人1人に向き合えることもメリットだという。ではどうしてフリーランスのための美容室をオープンしたのだろうか?

 大庭邦彦社長「お店がオーバーストア(店舗過剰)な状態ですので、場所を持たずに、シェアサロンでやる美容師が増えてきています」

 美容室が増え、競争が激しくなる中、店に属さず、フリーランスとして働く美容師が増えているという。

 美容師(30代)「僕らは技術では勝負できると思うんですけど、やはりこういうお店がないと働けないので、こういう所があるのがいいなと思います」

■フリーランスが利用できる様々なシェアオフィスも

 その他にもフリーランスが利用できる様々なシェアオフィスがある。

 神奈川県・川崎市にある施設「ノクチカ」は、深刻化する空き家問題に目をつけ、30年間空き家だった建物を改修して造られ、月額1万円から利用できるという。

 また、東京・新宿には、ツタヤが運営する本に囲まれたオフィスも登場している。ツタヤは「本によって、新しいアイデアが生まれるような環境を提供したい」としていて、1時間あたり500円で利用できる。

 また、自治体もフリーランスの活用を進めている。鹿児島・奄美大島の奄美市では、「フリーランスが最も働きやすい島化計画」に取り組んでいる。ウェブライターの講座や、手作りの作品をネットで販売するための講座を無料で開くなど、2020年までにフリーランス200人の育成を目標にしている。


■来年度の税制改正でフリーランスを優遇?

 今、フリーランスの人は1000万人を超えると言われる。だが税金などの面では不利なところがある。それで来年度の税制の改正でこれを変えようとしている。どう変わるのだろうか?ここからは経済部の宮島香澄・解説委員が伝える。

――今の案ではフリーランスで働く人や自営業者は減税に、収入の高い会社員は増税になる。

 まずフリーランスは、収入には税金のかからない部分、「基礎控除」というものがつく。今回この「基礎控除」を一律10万円増やす。その結果、税金がかかる所得が今までより少なくなるので、納める税も少なくなる。

 一方で、年収の高い会社員はなぜ増税になるのだろうか?会社などから給料をもらう会社員などもこの「基礎控除」は10万円上がる。ただ会社員には、これに加え、「給与所得控除」という別の控除もあるのだが、今回はこれが減って、その分、税金がかかる部分が増える。そのため結果的に年収850万円を超える会社員は増税になる。ただし22歳以下の子供などがいる人は増税の対象外。つまり一部の会社員の負担が増えることになる。

 フリーランスはかなり収入が高くても減税になる一方で、収入がガラス張り、つまり税務署が収入を把握できる会社員は850万円を超えると増税。取りやすいところから取ろうとしているとの声も上がっている。

■フリーランスが減税になる今回の改正案はプラスか、マイナスか?

 多様な働き方を後押しするという意味でプラス。一方、高収入の会社員などを狙い撃ちにした増税だという批判もあり、この点はマイナスと言える。税金の負担を公平にすることは難しい面もあるが、この税金、納得がいく使われ方がされるのか、しっかり見る必要がある。