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“食の危機”作り手と消費者をつなげる 2

2018年6月21日 17:00
“食の危機”作り手と消費者をつなげる 2

ポケットマルシェの代表取締役・高橋博之氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。2つ目のキーワードは「メルカリも投資した『ポケットマルシェ』、スマホひとつで農家や漁師とコンタクト」。高橋氏の視点やアイデアはどこに向けられているのか。


■生産者と消費者を直接つなぐ


――ポケットマルシェとはどういうものなんでしょうか。

ポケットマルシェは「食べる通信」をヒントにしてはじめたサービスです。農家と漁師が手のひらのスマホから、現場で野菜や魚を取ったら写真を撮って、自分で値付けもして、出品して、お客さんが直接買うと。双方向で僕らはつなげるので、まずコミュニケーションはじまるんですね。こんな風に料理して食べたらとか、こういう食べ方がおいしいとか。

今までスーパーとかで買っても「すごくおいしかった」って生産者に感謝の気持ちを伝えたくても、「ごちそうさま」ってしゃべれなかったんですよね。なので、スマホひとつでとにかくやりとりできるようにしようということで、ポケットに入っているマルシェというスマホできるということで(ポケットマルシェという名前です)。


――「食べる通信」との違いは、双方向ということでしょうか。

食べる通信も実はSNSで、読者と生産者をつなげて、ここにもコミュニケーションは起きたんですね。すごくコミュニケーションが活発に起きて、相互理解が深まっていって、これを日常の食生活の中で、もっと簡単にできる方法ないかなと思った時に、周りの皆さんがスマホを持っているので、同じことをもっとスケールを広げて、社会に展開したいなと思って、ポケットマルシェということになりました。


■手段は変わっても“思い”はずっと同じ


――そのポケットマルシェで、生まれたコミュニケーションという例がここ(画面)にあります。イチゴ農家さんと利用者の方のコミュニケーションだと聞いてますが。

これは、お客さんのお子さんが、川島さんというイチゴ農家に感謝の気持ちを絵に描いて、贈っているんですね。で、うれしいわけですよ、農家さんも。今まで、出品して終わりで、どこの誰が食べているのかわからなかったのが、こうして実際に食べた人から反応が返ってくると。これはやっぱり作り手冥利(みょうり)に尽きると思います。


――1人1人と向き合えることで、物語が生まれるという。

そうなんですよ。今までの商品に欠けていたところですね。


――メルカリとも提携したということですが、大変なことはありましたか。

出資してもらったんですが、僕らのやっていることは結局“食のメルカリ版”というか、直接、個と個がやりとりするというのを食に限定してやっているんですよね。同じビジョンを持っていたので、出資してもらったと。トントントンと決まって、応援してもらってますね。


――本当に新しい取り組みをどんどんされていると。

そうですね、新しいことが好きだから。


――最初に“食で世直しを”という気持ちがつながってきたと。

そうですね。そこは全くぶれてないですね。手段がどんどん変わっているだけで。