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経済
2018年12月14日 16:32

“入管法改正”30年後の日本はどうなるか

“入管法改正”30年後の日本はどうなるか
(c)NNN

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「改正出入国管理法が成立」。外国人労働者の受け入れを拡大するための、改正出入国管理法が先週末に成立した。

この法律は、深刻化する人手不足を背景に、外国人労働者の受け入れを拡大するため、新たな在留資格を創設するもの。政府は、受け入れ先として介護・外食・建設・農・漁・宿泊業など14業種を検討している。


■最大の課題はサポート体制


――今後どうなっていくんでしょう。フリップをお願いします。

『2045年を考えてみたら…』と書きました。この成立で、来年4月以降、5年間かけて外国からの労働者が確実に増えます。ただ、その後も受け入れ拡大を続けていけるかどうか、ここが疑問です。

最大の課題は日本国内のサポートシステムです。日本語の教育や、差別的な待遇の問題などいくつもありまして、どう日本社会に定着していけるのか、これは外国人を受け入れる私たち自身の考え方そのものでもあると思います。単に今足りない労働力を当面、外国人で補うという発想だけでいいのかという点を指摘しておきたいと思います。


■生産年齢人口、30年で2000万人減少


――2045年はだいぶ先に感じますが…

経済同友会という経営者の団体がありますが、今週、“2045年に日本はこうなっていたい、そのためには今から何をすべきか”という発想でつくったリポートを発表しました。おそらく今の時点でもっとも確かな予想データというのが、将来の人口の推計なんです。

15歳~64歳を「生産年齢人口」といいますが、図を見ると、どんどん先細りしていくのがわかります。2045年には約5600万人という推計です。2015年、今から3年前が、この生産年齢人口が7600万人ぐらいなんです。つまり30年間で2000万人も減るということなんです。


■労働力減少、もっと議論が必要


――30年間で2000万人ですか。ただ、政府は今回の法律で約34万人の外国人労働者の受け入れを見込んでいるそうですが、だいぶ、数に開きがありますよね。

私たちが考えるべきは、つまり2000万人も労働力をどうやってカバーしていくのか、こういった議論を深めることが重要だと思っています。この同友会のリポートでは、AIやロボットと一緒に働く社会をつくっていくことで、なんとか埋めていこうという話や、外国の人材を受け入れるために“司令塔”的な役割を果たす政府の組織の強化も訴えています。今後、法律面だけでなく、教育・医療・就職など生活面の問題もあります。したがって、省庁を横断して、検討・対応していく必要があると思います。


■外国人労働者“理想の比率”難しく


――2045年にどれくらいの外国人が日本で働いてもらえると理想的なんでしょうか。

本当にそこが難しいところです。同友会トップの小林代表幹事に直接聞いてみましたが、大幅に増やすことには消極的な意見でした。アメリカやヨーロッパで移民政策に伴う“負の面”…差別や偏見が一気に噴き出してきています。そういったことも背景にあるのかなと思います。

一方で、欧米の先進国というのは、移民政策を使って経済を成長させてきた面もあるので、アメリカでは2045年頃には、白人と非白人の人口比がほぼ同じになるということも予想されています。

したがって外国人受け入れは徐々に拡大していかないといけないと思うのですが、どういう風に体制を整えていくのか、今後議論すべき重要なテーマだと思います。


■佐藤圭一プロフィル
日本テレビ経済部・部長。国内外の政治・経済を中心に取材に取り組んできた。政治部時代は、1993年に起きた自民党の55年体制の崩壊を取材。ワシントン支局長時代は、2008年のオバマ政権誕生の選挙戦を現地からリポートした。現在は、世界情勢とともに変動する経済を詳細に分析、分かりやすく伝えている。


【the SOCIAL opinionsより】