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全国で増加 “危険な空き家”再生へ “全国住み放題”定額制サービスも登場

2022年8月17日 22:16
全国で増加 “危険な空き家”再生へ “全国住み放題”定額制サービスも登場

全国で空き家問題が深刻化しています。この問題を解消すべく、さまざまなサービスが注目されています。富山県上市町では今年から「空き家のマッチング制度」を開始。定額制で全国の空き家などが住み放題となるサービス「家のサブスク」も注目されています。

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17日午前10時ごろ、富山県上市町では町による「空き家」の撤去作業が行われました。作業が行われた住宅の屋根は崩れてボロボロになっていて、剝がれ落ちた外壁は中がむき出しになっていました。

上市町建設課 職員
「それでは、ただいまより、特定空き家等の略式代執行を始めます」

作業員らが空き家の中へ入っていきました。ただ、ドアはこじ開けられても、そこからかなりの物が置かれていて、中に入ることはできない状態でした。中は“ゴミ屋敷”状態になっていて、ゴミが次々と運び出されていきました。

上市町によると、28年前、空き家に住んでいた男性が亡くなった後、放置され続けていたということです。

今年に入り、強風などで外壁が飛ばされるなど近隣に危険がおよぶ可能性があることから、撤去に踏み切ったといいます。

今、こうした空き家が全国で増えているというのです。総務省が発表した「住宅・土地統計調査」によると、2018年時点の全国の総住宅数に占める「空き家」の割合は、過去最高の13.6%でした。

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深刻化する空き家問題を受けて、上市町では今年4月から「無料でもいいから空き家を引き渡したい人」と「譲り受けたい人」をマッチングする制度「0円空家バンク」を開始しました。

富山・上市町建設課 玉井耕平課長
「こちら(の家)が、上市町の『0円空家バンク』に登録されまして」

空き家問題を解消し、人口増加につなげたいということです。

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千葉県八千代市でも、空き家が問題となっています。

八千代市建築指導課 戸田隆大副主幹
「こちらが令和4年7月12日に、八千代市初で略式代執行を行った空き家の跡地になります」

この時に撤去されたのは、木造平屋建ての空き家です。30年ほど前から誰も住んでいなかったとみられていて、2019年9月に発生した台風の時には屋根や外壁が大きく破壊され、道路にまで散乱しました。

さらに、その残骸で被害も。近所の人は「お隣さんも全部、塀やられて、それからうちの方は全部、網戸とかやられて…」と当時の状況について振り返ります。

八千代市では現在、600軒近い空き家を把握しているということですが、今後、増えることも考えられるといいます。

八千代市建築指導課 戸田隆大副主幹
「(家を相続しても)使い道がなければ、長年、愛着をもった家ですが、それが周辺の迷惑になってしまうこともありますので、なるべく利活用や違う用途転換を考えていただきたい」

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こうした空き家の課題を解消すべく注目されているのが、月額4万4000円から利用できる「家のサブスク」です。

アドレス 桜井里子取締役
「『定額制で、全国の(空き家などの)物件に住み放題』というサービスです」

利用できる空き家や空き室は、全国に約240か所あります。コロナ禍でリモートワークが増えた影響などもあり、この2年間で登録者数は10倍以上に増えたといいます。

山梨県上野原市にある築350年の物件も、内部はすべてリノベーションされていて、古民家の良さを生かしたシェアハウスとして、室内にはエアコンやWi-Fiなどを完備しています。都会に住み続けなくても、リモート環境が整っているため、単身の会社員や大学生の利用が多いといいます。

このサービスを利用する20代のフリーランスの男性は「こういうサービスがあるからこそ行ける場所もあるので、自然豊かなところとか見られて、いいなと思う」と話しました。

課題が残る空き家問題について、「家のサブスク」を提供するアドレス社では、物件を利用することで“新たなふるさと”を見つけるきっかけにしてほしいということです。

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