アメリカと中国の関税をめぐる応酬の激化を受け、生活用品メーカーのアイリスオーヤマは、中国で生産してアメリカに輸出している一部の製品について、アメリカ国内での生産に切り替えていくことを決めました。

アイリスオーヤマは現在、中国にある10か所の工場で家電製品や家具、医療用マスク、ペット用シーツなどを生産していて、一部をアメリカにも輸出しています。

しかし、トランプ政権が打ち出した関税政策をめぐり米中の応酬が激しくなっていることから、コスト上昇や商品供給体制へのリスクが避けられないと判断。年内にアメリカ国内にある4つの工場に合計で1300万ドルを投資し、生産体制を増強します。

これまでアメリカ国内で生産していなかった医療用マスクの生産設備を新設するほか、プラスチック製衣装ケースやペット用品などの種類を大幅に増やす計画です。

また、アイリスオーヤマは去年から日本国内で生産した「パックご飯」をアメリカに輸出していて、今後さらにこの事業を拡大する方針でした。パックご飯の事業を含め、アメリカ向け製品の生産や輸送について選択肢を増やせるよう、検討を進めているということです。