「わくわく見つける」と自己研鑽につながる

世の中で議論を呼んでいる話題について、ゲストに意見をうかがう「opinions」。今回のテーマは「日本の会社員 自己研鑽(じこけんさん)しない?」。大企業の若手・中堅のコミュニティーを運営する山本将裕氏に話を聞いた。
パーソル総合研究所が、アジア太平洋地域14の国と地域で実施した調査によりますと、自分の成長を目的として勤務先以外で行っている学習や自己啓発活動について、日本は「とくに何も行っていない」が46.3%と、ほかの国に比べて突出して高い結果となりました。
ネット上では…
「今後は個人が自分の価値を意識する時代」
「クビにならない ぬるま湯感も原因かも」
「自己研鑽する 余裕や時間がない」
などの声がありました。
――山本さんにご意見をうかがいます。まずは、フリップをお願いします。
「わくわくを見つける」です。
まず、自己研鑽ってそもそも何なのかといったときに、自己研鑽をする理由がない人も多分、多いんじゃないかなと思っています。
――何をしていいかわからないということでしょうか。
何の前にまず「WHY」の部分だと思っていて、なぜ自己研鑽をしなきゃいけないのかっていうところかなと思っています。それは多分、個人がやっぱり「WILL」を持って、夢があるから、じゃあ何をしなきゃいけないっていうふうになると思うんですけど、それが「WHY」になると思っています。ですので、そういったものをまず見つけるっていうことが必要かなというふうに思っています。だから、何になりたいのかっていうところですね。
――それをすることによって、どんな解決策につながっていきそうでしょうか。
それを見つけることで、初めて自分が何をするっていうことが出てくるようになると思っています。ただ、いま日本の状況でいきますと、この間、日本財団のデータがネットでも結構バズってましたけど、日本の18歳の意識調査で、夢がないっていうところだったりですとか、自分が社会や国を変えられるっていうところが、日本が圧倒的に低いんですね。世界の国から比べても。だからやっぱり、自分が何をしたいのか、人生をかけて何をしたいのかっていうところを見つけていく必要があると思います。
――今後、どんな社会を実現していきたいというふうに思っていますか。
誰もが、わくわく働ける社会をつくりたいなと思っています。人生のうちの仕事って大半を占めてますけど、その仕事がやっぱり、自分が本当にこれをやると世の中良くなるぞっていうところを、わくわく働ける。そういうふうになっていくと、本当に日本人ってもっと幸せになるんじゃないかなと思っています。
ですので、そのためには、とにかくいろんな外の「知」に触れていくことが大事ではないかと。そうすることで、初めて自分が何をしたいのかっていう「WILL」が出てくるようになるのかなと思うんです。
――不思議ですよね。子供たちはどの時代も夢にあふれていて、お花屋さんになりたいとか、運転士さんになりたいと思う。みんな語るのに、いつしか大人になると、そういうのがなくなっちゃうんですね。
だからそれって子供の時って「知」がないので、あらゆる「知」に触れるとワクワクすることっていっぱいあるんですけど、大人になるとだんだん少なくなってきちゃうんですよね。
同じ会社にいたり、学校もそういう学校で、会社に行くと今度、自分の知っている世界だけの知に触れてしまうっていうところが、やはりわくわくしない要因になると思っています。
自分がよく触れ合う人だったりとか、その知識からちょっと離れたところのコミュニティーに顔を出していって、知識に触れるっていうことで、こんな世界があるんだ、こんな世界だったら自分もやれるなとか、そういったふうなことを繰り返すことで、初めてワクワクするものが見つかると思います。
■山本将裕氏プロフィル
大企業の若手・中堅社員を中心とした企業内有志団体のコミュニティー「ONE JAPAN」の共同代表を務める。NTT東日本で働く山本さん。縦割り組織のやりづらさなどいわゆる「大企業病」を痛感。社内の横のつながりをつくるため2015年、NTTグループの有志団体「O-Den」を立ち上げた。さらに企業の垣根を越えたつながりの必要性を感じ2016年に「ONE JAPAN」を設立した。大企業から挑戦する空気をつくりだすことを目指している。
【the SOCIAL opinionsより】