【解説】日枝氏は41年がんばってはいけなかったのか?フジテレビが“ハラスメントに寛容な企業体質”になった理由
■「“長期政権”=NG」ではない
この記事のきっかけとなった疑問…「41年もの長い間、取締役を務め、80代後半にもなるまで会社の顔とも言えるほどの貢献をしてきたはずの日枝氏が、責められるべき理由はなんなのか?」。
第三者委員会の検証や専門家の意見から、「日枝氏が長く組織のトップでいたこと、そのことだけで責められるべきとはならない」ことはわかった。日枝氏に責任があったのは、「組織が健全に営まれるように、経営と取締役にきちんとチェックが入る仕組みをつくってこなかったこと」だった。
FMHの全社外取締役ら7人は2月、FMHとフジテレビに対して、会社を指名委員会等設置会社に移行させ、人事プロセスを透明で客観的なものにすべきだという提案を行った。
FMHからは今のところ会社形態の変更案は公表されていない。また、第三者委員会の報告を受け取る前に決められた新たな取締役案も、「改定する」と話してはいるが(3月27日・FMH金光修社長)、案はまだ出て来ていない。6月の株主総会に向けてFMHが打ち出してくる議案は、会社の変革が期待できるものとなるのか? 重要な一歩となる。
*1「ESG戦略」…環境、社会課題、ガバナンスの視点から企業価値を高める経営戦略