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来春から変わる終電・始発 運賃も安く?

2020年10月21日 20:24
来春から変わる終電・始発 運賃も安く?

2021年の春から、山手線など首都圏のJRで終電と始発の時刻が変わります。JR東日本は10月21日、路線名や具体的な時刻を公表しました。運賃も変わる可能性があります。
 
■最大37分 終電を繰り上げ

JR東日本は、2021年3月のダイヤ改正で、山手線をはじめ首都圏のほぼ全ての路線で終電時刻が早くなることを発表しました。 
 
では、終電時刻はどのくらい早まるのでしょうか。
山手線では、東京発・品川行きの終電時刻は、現在は午前1時3分ですが、17分程度早まって午前0時46分ごろになります。池袋から品川行きは17分程度早くなります。 全体として、16分~19分ほど早まることとなります。 
 
京浜東北線では、品川発・桜木町行きの終電時刻は、現在は午前0時42分ですが、33分程度早まります。上野発の大宮行きは23分程度早まります。
中央線の東京発・高尾行きは現在0時15分ですが、30分程度早まります。
高崎線の上野発・新前橋行きは午後11時7分が37分程度早くなるため、終電が午後10時半になります。 
 
始発時刻の変更は、終電ほど多くありませんが、京浜東北線や中央線、総武線などで15分前後遅くなる区間もあります。 
 
JRが変わることで、接続する私鉄や地下鉄などにも乗り継いで利用する人もいるため、ダイヤが変わってくるかもしれません。 私鉄については、終電の時刻を検討するといっているので、影響がでるかもしれません。 

■街の声は

実際に利用する人はどう思うのか、聞いてみました。 
 
事務職(20代)「このご時世なので、特に夜遅くまで出歩くこともないので(終電を)使うこともないが、時間帯が狭まることによって、人が密集してしまうんじゃないかな」 
 
夫婦(30代)「短期集中の働き方になったら、みんな早めに寝られたりするし、疲れも取れるのでいいことだと思います」 
 
金曜日の終電前や乗客が少し多くなる時間は、「密」にならないように増発なども検討するということです。 

■ナゼ変更?2つの理由
 
では、なぜ終電時刻と始発時刻の変更を決めたのでしょうか?

理由は2つあります。

1つ目は、コロナの感染拡大で深夜の利用が大きく減っていることです。
山手線は感染拡大前に比べて、66%減少しています。朝の通勤時間帯も42%以上減少。JR東日本は、コロナが収束しても利用客の数は元に戻らないと判断しています。 
 
2つ目は、深夜に行う鉄道工事です。 
例えば架線の点検は、異常がないか目視で確認する作業ですが、終電から始発までの短い時間で行います。過酷な仕事で休みがとりづらく、深夜のきつい作業ということもあり、将来的に携わる人が減ってくるのではないかという懸念があります。 
 
一方で、工事は増えているといいます。 
線路の点検だけでなく、設備の老朽化を直す、ホームドアやバリアフリー設備など、みなさんが利用する駅も工事を行っています。 工事の量は、過去10年で約1割増えているのに対し、作業員の数は1~2割減っていて、このギャップを埋めなければなりません。深夜の作業時間を増やして、機械化の導入やAIの活用なども取り入れて、作業員の働く環境を改善する必要がある状況になっています。 
 
■“オフピーク定期券”で値下げ案も

運賃の変更の可能性も出てきました。 
 
コロナで「密」を避けて通勤時間をずらしている人には朗報です。JR東日本は、通勤の定期券を値上げして、混雑していないオフピークの時間利用には、新たに“オフピーク定期券”を作り、値下げする案がでています。 
 
コロナの影響で鉄道事業者は乗客が減って収益が悪化していますが、様々な取り組みも始まっています。
 
コロナで乗客が減った新幹線では、空席を利用して、食べ物を運ぶ取り組みも試験的に始めています。2020年8月には、宮城県石巻市で水揚げされたばかりの魚介類が仙台駅から東京駅まで新幹線で運ばれ、東京駅構内の飲食店で刺身や寿司として振る舞われました。 
9月には、仙台市で収穫されたナシやシャインマスカットを新幹線で北海道・函館まで届ける取り組みもありました。車などの輸送と比べて時間短縮になり、輸送量も増えます。 
 
企業も働き方改革に取り組んでいますが、こうしてインフラが変わることで、企業もそれに合わせる必要が生じ、より改革を促す可能性があります。 働く人の選択肢が増えて、生き方も多様になり、それが社会の活力につながればいいですね。
(2020年10月21日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より) 

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