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経済
2020年12月30日 10:45

今年のマーケットふり返り~大坂氏が解説

今年のマーケットふり返り~大坂氏が解説
(c)NNN

東京株式市場の日経平均株価は、29日は終値で2万7500円台を回復し、いわゆる「バブル期」以来およそ30年ぶりの高値となりました。

今年のマーケットをふり返り、野村証券の大坂隼矢さんが解説します。

■株価
キーワードは「リーマンショック時の教訓とデジタル化」。

──日経平均株価の推移を見ると、3月に急落していますが、徐々に回復しているのがわかります。

・新型コロナウイルスはリーマンショックを上回り、第2次世界大戦以来となる景気後退をもたらした。
・しかし、3月まで急落した株価は回復に。
・背景には2008年の金融危機(リーマンショック)の教訓があった。
・各国政府や金融機関によるカウンターパーティリスクへの迅速な対応が株価の底打ち回復を演出した。
・その後は、各国中央銀行による量的緩和が流動性相場を演出、米国株と金価格が同時に上昇した。日本でも成長期待の高いマザーズを中心に上昇。
・10月後半からはワクチンなどの期待や業績回復を織り込む相場展開。
・ナスダックの上昇が鮮明であったが、背景には新型コロナによるデジタル化の加速が挙げられる。


■為替
ドル円の推移を見ると、2月に112円22銭まで下落し、翌3月には101円17銭と円高に。急な変動が落ち着いたもの、年末にかけて徐々に円高傾向になってきています。

キーワードは「FRBによる積極的な金融緩和策」。

・FRBの量的緩和拡大に伴い、円高ドル安傾向に。
・新興国通貨は、対外債務の返済能力などが低い通貨ほど下落した一方、2021年の成長率見通しが高い国は相対的に下落しなかった。


■長期金利
日本国債10年の金利の推移を見ると、春までは新型コロナの影響で変動幅が大きいものの、5月下旬以降はプラス圏に。

キーワードは「金融緩和から景気回復を織り込む展開へ」。

・日本については、日銀の目指す2%のインフレ目標には遠く、金融緩和策を続けることで大きく上昇することは当面なさそう。
・FRBによる金融緩和策により、米国金利は大きく低下、その後はワクチン開発への期待や財政政策による景気回復を織り込みながら徐々に上昇している。
・ただし、FRBが金融緩和策の長期化を示唆していることから、景気回復への期待による上昇は緩やかなものになるとみられる


──新型コロナウイルス感染拡大下の、これまで経験しなかった混迷した経済状況となった1年でした。コロナ禍でありながらも株高が起き、「実体経済との乖離(かいり)が際立ってきている」との声も聞かれます。また、セクターで見てもコロナ禍におけるいわゆる「勝ち組」と「負け組」がはっきり表れてきているようです。

「新型コロナによるデジタル化加速」というキーワードで説明したいと思います。

・各国・地域の中央銀行による量的緩和策が流動性相場を演出している点が、実体経済との乖離を生み出している要因の1つ。
・もう1つの要因は、デジタル化による企業業績の拡大。
・東証33業種別で日本の市場を見ると、2020年に上昇した業種は、電気機器、その他製品(任天堂など)、情報通信業、精密機械、機械など。
・一方、下落した業種は、鉱業、空運、石油・石炭製品、銀行など。
・実は東証33業種中、年間で上昇した業種は3分の1程度。6割以上の業種は下落している。
・日経平均はバブル以来の高値だが、TOPIXは2018年の高値に届いていない。
・米国市場ではナスダックの上昇が鮮明。
・NYダウもセールスフォースが新たに組み入れられるなど、デジタル化に資する企業のウェイトが大きくなってきている。