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【解説】17日から日本学術会議の総会開催 そもそも何が問題?ゼロから学ぶ「学術会議問題」

2023年4月16日 18:00

■「学問の自由」は

しかし、学術会議や学者からは反対の声があがります。

かつて学術会議の会長を務めた大西隆・東京大学名誉教授は「選考諮問委員会の権限が依然として曖昧であり、“委員会がこう言ったけれども聞かなかった”ということを根拠に、また会員の任命拒否が行われる可能性がある」「選考諮問委員会が選考の“方針”ではなく“人選”に関わろうとするのも不適切だ」と懸念を示します。

大西氏は、他国の科学アカデミーが政府から切り離された組織であることを踏まえ、「学術会議は海外の組織から“政府の一組織なのだから政府の言う通りに動くのでは”と思われがちだが、“法律で独立して活動することが明記されている”と説明してきた。今回の改正で、会員選考への首相の関与が制度化されれば、独裁政権下と変わらない制度とみなされ、国際的評価は大きく低下する」と言います。

また、別の関係者も「そもそもの発端となった“菅元総理による任命拒否”の問題の所在をすり替えようとしている、根拠を後付けしているとの不信感が会員の中にある」として、総会での政府・学術会議の議論は平行線に終わるのではないかと話します。

政府と学術界との間で生じた「亀裂」を埋めることはできるのか。

政府がいまの国会で改正法案を提出するのであれば、今回が提出前の最後の総会となります。総会での議論が注目されます。

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