ナゼ? “横浜中華街の名店”が「冷凍食品の専門店」オープン “マイナス30度”急速冷凍装置を導入
今、外食産業が相次いで冷凍販売に進出しています。20日、横浜中華街にある老舗の中華料理店が「冷凍料理の専門店」をオープンさせました。中華の老舗が冷凍食品に乗り出した理由を聞きました。
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東京の二子玉川ライズ・ショッピングセンターの食品売り場に、期間限定で「冷凍食品専門のショップ」がオープンしています。おなじみのグラタンやドリアだけでなく、冷凍食品としては珍しい世界各国の料理も販売しています。
実は、ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」などを展開する大手外食チェーンが、自社のセントラルキッチンで製造する、こだわりの冷凍食品です。
冷凍食品の販売自体は以前から行っていましたが、お店クオリティーの味を自宅で好きな時に、手軽に楽しめるとあって、ロイヤルデリ事業推進部・中谷竜也さんは、「コロナ禍でおととしと昨年を比べると、2.5倍に成長しておりまして、順調に冷凍事業は伸びている状況でございます」と話しました。
先月、日本冷凍食品協会が発表した2021年の家庭用冷凍食品・生産金額(速報値)は約3919億円でした。コロナ禍前、2019年の約3164億円と比べ、2割以上増えました。
こちらの外食チェーンも18日、冷凍食品の店舗をもう1つオープンするなど、コロナ禍で売り上げが伸びているということです。
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コロナ禍の便利な“中食”として、ますます冷凍食品の需要が高まっています。
ファストフードチェーンの「ロッテリア」では、東京・多摩市にある京王聖蹟桜ヶ丘店限定で、18日から、パテやバンズなどの冷蔵・冷凍商品の販売を開始しました。自宅でお店の味を手作りすることができるようになりました。また、付属のチーズやソースなども販売しているため、店にはないオリジナルの味を楽しむこともできます。
ロッテリア マーケティング部 緒方高行部長
「ご自宅以外もバーベキューやキャンプなど、これから行楽シーズンになりますので、ご自由にハンバーガーを楽しんでいただければと」
外出の機会も増える中、レジャーなど様々なシーンで利用してほしいと話しています。
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創業130年、「五目焼きそば」などが名物の横浜中華街の名店「萬珍樓」も20日、冷凍食品の専門店をオープンし、記念のセレモニーが行われました。萬珍樓がこだわったのは――
萬珍楼 林兼正社長
「瞬間的に冷凍ができるので、“凍眠”みたいに寝かしつけちゃう。電子レンジかけると、またいきかえると」
マイナス30度の急速冷凍装置を導入し、麺類や点心など、おなじみの冷凍食品だけでなく、「フカヒレの姿煮」も瞬間冷凍することで、作りたての味をそのまま閉じ込めることができるということです。
店の名物「五目焼きそば」の冷凍食品を、特別に店内で食べさせてもらいました。
記者
「麺の香ばしさや、もちもちとした食感を感じます。野菜のしゃきしゃきとした食感もしっかり残っています。冷凍食品とは思えません」
今回、中華の老舗が冷凍食品に乗り出した理由を聞きました。
林兼正社長
「コロナでお客さんがお店に来られないと。だったら、お客さんのところに料理を運ぼうと」
もともと、常連客の中には高齢の人が多かったという萬珍楼では、冷凍食品にして伝統の味を届けたいと決断をしたということです。
常連客
「ずっと昔から行っているから、来るときはここしか来ない。やっぱり、のれんを大切にしていますからね」
現在は店頭販売のみですが、今後インターネットでの販売も考えているということです。