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全銀協福留会長が相次ぐ金融界の不祥事に苦言 政策金利は「賃上げが腰折れしなければ1%には到達」との見方示す

2025年3月13日 22:55
全銀協福留会長が相次ぐ金融界の不祥事に苦言 政策金利は「賃上げが腰折れしなければ1%には到達」との見方示す

全国銀行協会の福留朗裕会長(三井住友銀行頭取)は13日の会見で、2024年度に金融業界で不祥事が相次いだことをうけ、「信頼を根幹とする金融機関にとって存在意義にかかわる」と苦言を呈しました。

金融業界では2024年度、複数の銀行で、貸金庫から顧客の資産を窃取する事案があったことが明らかになったほか、インサイダー取引など不祥事が相次ぎました。

福留会長は、「こうした不法事案が発生すると、信頼を再構築することは非常に難しいものになる」「信頼をビジネスの根幹とするわれわれ金融機関にとって、存在意義にかかわる」と苦言を呈しました。

その上で、再発防止には、不祥事が起きないための金融機関のルール作りに加え、行員の意識改革など、企業風土も変える必要があるとの認識を示しました。また、「一日でも早く信頼を回復すべく、会員各行が貸金庫ビジネスの管理体制強化に最優先で取り組むことが不可欠だ」と強調しました。

一方、福留会長は日銀の今後の金融政策について、政策金利がどの水準まで引き上げられるか予測するのは「これまで以上に難しくなっている」としつつも、「個人的には、足元の賃上げのモメンタムが腰折れしない限りは、日銀が示している中立金利の下限である1%には到達すると思っている」との見方を示しました。

福留会長は今月末で任期を満了し、来月1日からは三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取が次の全銀協会長に就任する予定です。

最終更新日:2025年3月13日 22:55