“五感で体感” 体験型の工場見学が人気 ビール製造工程の疑似体験も
東京・豊洲市場では2日、マグロの競りの一般見学が約5か月ぶりに再開されました。こうした中、見るだけではない“体験型”の工場見学が人気となっています。茨城・守谷市で行われているビール製造工場の見学ツアーでは、製造工程を疑似体験できるような仕掛けも用意されています。
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早朝から大人も子供も食い入るように見ていたのは、威勢のいい声が飛び交う豊洲市場のマグロの競りです。
一般の人たちが、迫力ある競りを間近で見られるデッキでの見学は、新型コロナウイルスの影響で中止していましたが、2日から約5か月ぶりに再開されたのです。
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感染状況が落ち着き、直接足を運んで見る機会が増えてきている中、工場見学は今、見るだけじゃない“体験型”が人気になっているといいます。
まず向かったのは、昨年リニューアルした、茨城・守谷市にあるビールの製造工場の見学ツアーです。思わず歓声があがったのは、まだ入り口でした。秘密基地のような空間を進んで行きます。すると、目の前に現れたのは、エスカレーターと階段です。
案内通り、エスカレーターの方に乗ると、階段の側面に並んでいるのは、缶ビールの写真、その数1200本です。実は、エスカレーターが上に到着するまでの45秒で作られるビールの本数が1200本なのです。製造のスピード感を体感できるよう工夫されています。
他にも、大きなスクリーンに囲まれた空間では「うまいビールが生まれる旅へ出かけていただきます!」と放送が流れ、缶の上に乗っているような目線で、製造工程を疑似体験できます。そして、最後は、お待ちかねのビールの試飲で、キリっとしたのどごしを体感できます。
工場見学に参加した人は「工場見学した後のビールが、たぶん世界で一番おいしいですよ」と笑顔を見せました。
ただ、製造ラインを見せるだけではなく、お客に体験してもらう仕掛けを多く用意しているといいます。その理由を聞きました。
スーパードライミュージアム ドライクルー 宮田早さん
「『どこのビール工場の見学も似ている』というお客様からのご意見がありまして、五感で体験できるものをオープンしました」
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一方、長野・大町市で5月にオープンしたのは、飲料水の工場見学です。
実際に工場で使われているエアシャワーを浴びてから、見学へ。製造工程などを間近で見ることはもちろんですが、ここでしかできない体験があるといいます。それは――
北アルプス信濃の森工場 谷本文さん
「北アルプスの山々を、みなさまにご覧いただきながら、召し上がっていただくことができます」
テラスから見えるのは、ペットボトルのラベルにも描かれている「餓鬼岳」です。水を育む自然を感じながら、いただくことができるのです。
北アルプス信濃の森工場 澤田元充工場長
「工場全体を体験型施設に位置づけて、サントリー天然水の魅力、生まれる場所を含めて体感していただきたいという思いからつくっています」
また、広い敷地内には、カフェも土日・祝日限定でオープンしています。天然水を使ったかき氷などが味わえるということです。