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「備蓄米」放出したのに…コメ価格なぜ下がらない? 専門家「業者に不足の不安感」 価格落ち着くのはいつ?【#みんなのギモン】

2025年4月16日 10:42

■コメ高騰の影響、みそ・みりんにも

小野解説委員
「コメの値段が高いと困るのは、私たち消費者やコメを売るスーパーなどの小売りだけではありません。コメを使う、さまざまな方面に影響しています」

「まずは、とんかつ。ブタのエサである飼料用のコメが手に入りづらくなっています。なぜなら農家さんがコメを作るにあたって主食用のコメを作る方にシフトし、飼料用のコメの生産自体が減っているからです」

「みそにも影響があります。みその専門店『佐野みそ』に聞いたところ、全国で生産されている約8割のみそが、米糀(こうじ)を使う米みそです」

「そのため影響がとても大きく、取引先である蔵元の半数から値上げの通知が来ていて、夏にかけて徐々に値段を上げていかざるを得ない、泣きたい、と話していました」

「さらに、本みりんも。『日の出みりん』は4月1日出荷分から、1~8%値上げとなりました。主な原料となるコメの高騰に加えて、燃料費などあらゆるコストが上がってきていることが原因だそうです」

鈴江アナウンサー
「みりんもみそも毎日のように使うので、痛いですね」

直川キャスター
「おみそ汁でホッとできなくなってしまいますよね」

小野解説委員
「そして、コメを使ったお菓子にも影響が。例えば栗山米菓の人気の商品『ばかうけ』は、いろんな味の詰め合わせが楽しめるアソートの味の種類を、1種類減らしたそうです。ここに企業努力が隠されています」

「コメは高いけれど値段や内容量を変えないよう、何ができるかと考えた時に、フレーバーのコストを削減したというわけです」

瀧口麻衣アナウンサー
「フレーバーの種類が減ってしまうのは寂しいような気もしますが、値段や内容量が変わらないというのはありがたい、うれしいですね」

■備蓄米の放出、7月にかけて継続

小野解説委員
「私たちがスーパーなどで買うコメの値段に話を戻します。値段が高く、備蓄米が放出されたら安くなるだろう、それを待って買おうと思っていた人もいるでしょう。それなのに、備蓄米が放出されたのに値段が下がらない。なぜなのでしょうか?」

「日本総合研究所チーフスペシャリストの三輪泰史さんは『これまで放出された備蓄米は小売だけではなく、給食や外食産業などにも供給されているため、まだ備蓄米が届いていないスーパーも多い。そのため店頭価格は高いままになっている』と話します」

「確かに農水省も『備蓄米の流通量がさらに増えてくれば、店頭価格にも反映されていくとみている』と説明しています。そのため政府は今後も7月にかけて備蓄米の放出を続ける予定です」

「一方で三輪さんは『業者にはコメ不足の不安感があり、備蓄米も取引が高値になっている。今後の放出は価格を下げるためのものだと政府が明確に打ち出し、例えば入札時の1社あたりの上限量を決める、取引の上限価格を設けることも検討すべきだ』と指摘します」

森アナウンサー
「需要と供給の関係があるので、グッと簡単には下がらないのでしょうが、まず下げることを徹底してほしいですよね」

斎藤キャスター
「ずっと我慢していますけれども、どこまで我慢したらいいのかもギモンになりますね」

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