【速報】日産が北九州市でのEV向けバッテリー製造工場「計画を断念せざるを得ない」投資対効果を慎重に検討した結果の判断

日産自動車は、北九州市に建設を予定していたEV=電気自動車向けバッテリー製造工場の建設を断念しま
した。
知事と市長が取材に応じる
9日午前、福岡県庁で服部知事と北九州市の武内市長が日産自動車の幹部と面会し、報告を受けました。
面会は非公開で行われましたが、その後、午前9時半ごろから報道陣の取材に応じ、断念の理由を説明しています。
服部知事は「日産のエスピノーサCEOから、計画を断念せざるを得ないという報告を受けた。断念に至った経緯・理由について現在、ターンアラウンド(事業再生)の取り組みを行い、業績を回復させるためのあらゆる選択肢を検討しており、この中で、EV向けバッテリーについては投資対効果について慎重に検討を重ねた結果だという話があった」と述べました。
引き続き企業誘致に取り組む
日産はことし1月、工場を北九州市若松区響灘エリアに建設する立地協定を、県と市と結んでいました。
およそ15万平方メートルの敷地に工場を建設し、製造コストに優れ劣化しにくい“次世代電池”として期待される「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」を製造、軽電気自動車から搭載していく計画でした。
投資額は北九州市で過去最大となる1533億円、新規雇用は500人で、2028年度に稼働開始予定だとしていました。
服部知事は「大変残念な思い」と述べた上で「日産の極めて厳しい経営環境というものを考えると、やむを得ない判断と理解している」と語りました。引き続き、響灘エリアへの企業誘致に取り組むとしています。
一方、福岡県に苅田町にある日産の工場については「今後とも世界的に重要な生産拠点だという認識を聞いた」としました。
「地元の大きな期待があった」
北九州市の武内市長は「エスピノーサCEOから非常に真摯な言葉をいただき、説明をいただいた。厳しい国際情勢、経営状況で今回、進出が白紙になったこと、地元自治体として大変残念でならない。これまで誘致に向かって多くの皆様の尽力があったこと、地元の大きな期待があったことを考えると悔しさはひとしおです」と語りました。
その上で「国際情勢の荒波に直面しても立ち止まることはない。誘致は北九州市のポテンシャルと魅力が世界的な企業に認められたことでもある。不確実性は続くが波を乗り越え、次のチャンスに向かって取り組む」としました。