“新米”出てもコメの価格下がらない可能性、どうなる今シーズンのコメ価格(宮城)

ゴールデンウィークに入り本格化するのがコメ作りです。
今もなお続くコメの価格高騰。
今シーズンのコメの価格は、一体どうなるのでしょうか?
仙台市青葉区の中華料理店では、大盛りのチャーハンが人気。
ミニ広東焼きそばとスープとのセットで830円です。
大学生
「多いですね思ったより、でも安いです。値段はすごく安かったです」
安さがウリですが、4月約50円の値上げを余儀なくされました。
北京餃子 加賀久幸さん
「一日40キロくらい使うので、仕入れ価格が上がりっぱなし。長い取引のおコメ屋さんからも、今後また値上げの通知が来ている状態になっています。値段は下がらないのかもしれませんけど、まずコメの値段を安定していただきたい。まずそれが一番」
4月28日発表された全国のスーパーでの5キロあたりのコメの平均価格は4220円で、16週連続の値上がりとなりました。
去年同時期と比べると、2倍を超える事態です。
農林水産省によりますと、今年のコメの作付は全国19道県で増える見通しで、宮城県でも2024年産の実績の1%、1400ヘクタール作付面積を増やす意向です。
さらに、4月11日 政府はこれまで減らし続けてきたコメの生産量について、増産に転換する基本計画を閣議決定しました。
江藤拓農水相
「私は『令和の米騒動』という言葉は使いたくありませんが、そのような事態を踏まえて、コメの生産基盤自体の強化をしてほしいというのは国民の意思だと思う」
コメの生産量は、2023年に791万トンだったのを、5年後の2030年に818万トンとする指標を掲げました。
コメの流通が専門の東北大学・冬木勝仁教授です。
東北大学・冬木勝仁教授
「増やせと言われても増やせない農家が多くなってきている。高齢化の影響が出ている。本格的に生産対策を国がやっていかないといけない」
コメの増産に向けて課題となるのは、担い手不足。
栗原市のコメ農家の11代目・白鳥一徳さん(45)です。
白鳥さんは、大学卒業後23歳で就農。
当時20ヘクタールだった面積は、この22年で7倍の140ヘクタールになりました。
コメ農家の11代目・白鳥一徳さん(45)
「近隣の農家さんがやめたりして、農地を耕作できないのでお願いできないかっていう感じでどんどん増えてきた」
白鳥さんは農地全体の3割ほどで苗を育てる必要がない「乾田直播」という栽培方法を取り入れることで、大規模なコメ作りを省力化しています。