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【詳報】使用済み核燃料がむつ市の中間貯蔵施設に搬入完了 原発外の保管専用の施設に運ばれるのは初めて

2024年9月26日 18:20
【詳報】使用済み核燃料がむつ市の中間貯蔵施設に搬入完了 原発外の保管専用の施設に運ばれるのは初めて

新潟県の原発から搬出された使用済み核燃料がむつ市の中間貯蔵施設に運ばれました。核燃料が原発外の保管専用の施設に運ばれるのは初めてです。

★青森放送 板橋優磨
「使用済み核燃料の専用容器を積み込んだとみられる大きな船がむつ市の港に入ってきました」

新潟県の柏崎刈羽原発から搬出された使用済み核燃料の専用容器はきょう昼頃むつ市の港に接岸した船から専用のクレーンで陸揚げされました。専用容器は船から車へと移されました。

★板橋優磨
「大きな容器を乗せた運搬車両がいま動き出しました これから専用道路を通り中間貯蔵施設へ運ばれる見通しです」

燃料はきょう夕方中間貯蔵施設まで運ばれ、施設内での搬入作業が行われました。むつ中間貯蔵施設は原発から出た使用済み核燃料を再処理するまでの間一時保管する施設で必要な検査をしたあと来月末に操業が始まる見通しです。

★むつ市 山本知也市長
「使用済み燃料にかかる一連の作業が無事に完了したと報告を受けております 県及び当市の職員も立ち入り調査及び環境放射線測定に立ち会っており周辺環境への影響がないことが確認されております」

核燃料サイクルを支える施設に燃料が運ばれたことで、国内初となる原発敷地外での中間貯蔵が事実上始まりました。仕組みを説明します。
金属製の専用容器は高さおよそ5メートル、重さ120トンで69体の燃料が入ります。二重構造のふたや厚さ26センチの鋼鉄製の胴体部分などがあり放射性物質が外に出るのを防ぐ仕組みになっています。専用容器はある程度温度が下がった状態で運ばれ、風を利用して冷却します。1棟目には288基分、およそ3,000トンを貯蔵。今後2棟目も建設され合わせて5,000トン分を一時的に保管します。

★原子力規制委員会 山中委員長
「長期に保管することについても審査で安全上問題がないと確認しております」

貯蔵した使用済み核燃料は再処理工場に運ばれ再利用することになっています。ただサイクルの中核となる六ヶ所村の施設はいまだ稼働せず。国内の原発に貯蔵されている使用済み核燃料は許容量のおよそ8割に達し限界が近づいていて原発を動かすためには搬出先が課題となっています。

★日本原燃 増田尚宏社長
「本来は我々が再処理工場をきちんと計画通り動かしてプールに空きを作ってというのができればこういうふうにはならなかった RFSをはじめ中間貯蔵を考えている方々は我々の使用済み燃料をきちんと受け入れることができないものに対する選択肢を増やしてくれたと感じています」

安全協定では貯蔵期間は『最長で50年間』と約束しています。ただ将来の搬出先の再処理工場が予定通り実現せず、長く貯蔵が続く懸念が根強くあります。港付近では専用容器の輸送中に反対集会も開かれました。

★核の中間貯蔵施設はいらない!下北の会 野坂庸子代表
「私たちにとってはとても残念ですがこれはもう国の政策にもう押されてしまったというところですかね 疑問なところはどんどん言っていくそのことは続けていきます」

むつ市民は…

★むつ市民
「いいんでないですか(保管期間最長50年の)約束が守られていれば」
「いずれはなくしてもらいたいですね」
「不安の部分はあると思うのですけれど必要とあればやった方がよいと思います 市のためにもなると思うので」

★宮下知事
「今後は事業開始に向けて使用前検査が行われると思いますのでなおいっそう安全に留意して取り組んでいただきたい」

リサイクル燃料貯蔵の高橋泰成社長は「最終の検査を行い使用前確認証の受領で事業開始となります 引き続き安全を第一に取り組んでまいります」とコメントしています。

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