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プーチン氏、ウクライナに「直接交渉」を提案 ゼレンスキー氏「プーチンを待つ」 停戦実現、今度こそ?

2025年5月13日 1:23
プーチン氏、ウクライナに「直接交渉」を提案 ゼレンスキー氏「プーチンを待つ」 停戦実現、今度こそ?

ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ側に直接交渉を提案したと発表しました。これに対し、ゼレンスキー大統領は「プーチンを待つ」と直接の会談を求めていますが、今度こそ停戦は実現するのでしょうか。

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日本時間12日夜に投稿されたウクライナ非常事態庁のSNSによると、北東部・スムイ州でロシアによるドローン攻撃があり、1人が死亡。南部・ヘルソン州では砲撃があり、子どもがケガをしたといいます。

いまだ激しい戦闘が続く中、ロシアのプーチン大統領が発表したのが…。

ロシア プーチン大統領(ロシア・モスクワ 11日)
「2022年に中断した直接交渉の再開をウクライナに提案する。いかなる前提条件もつけないと強調する」

ウクライナに、約3年ぶりとなる「直接交渉」を一方的に提案したのです。交渉の場として提案したのは、トルコ最大の都市・イスタンブール。日程は15日としています。

この場所では、3年前にも双方の代表団による停戦協議が行われましたが、意見が折り合わず協議は中断していました。

プーチン大統領(ロシア・モスクワ 11日)
「3年前の停戦協議が中断したのはウクライナのせいだ。(今回の協議の)目的は、紛争の根本原因を排除し、歴史的観点から長期的かつ永続的な平和を確立することだ。その交渉中に、真の停戦ができる可能性を排除しない」

“直接交渉”にプーチン氏が出席するかは明らかになっていませんが、ウクライナのゼレンスキー大統領は…。

ゼレンスキー大統領のSNSより(11日)
「今週木曜日にトルコでプーチンを待つつもりだ。今度こそプーチンが言い訳を探さないことを願っている」

“直接交渉に応じる用意はある”と表明。

トランプ大統領は…。

トランプ大統領のSNS(11日投稿)
「ロシアとウクライナにとって、すばらしい日になる可能性がある。 この血みどろの惨状が終わり、何十万もの命が救われることを考えよう」

その上で、「今すぐ会談を!」と呼びかけました。

また“直接交渉”の場として提案されたトルコのエルドアン大統領は「恒久的な解決につながる交渉を仲介する用意がある」としています。(ロイター通信による)

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これまでも度々、一方的に“短期間の停戦”を宣言していたプーチン大統領。

ウクライナ側は、“停戦期間中もロシア軍による攻撃があった”などと主張していますが、今回“直接交渉”は実現するのか? ロシア政治に詳しい専門家は…。

ロシア政治に詳しい 慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「おそらくロシアとしては、あくまでもロシアに有利な目線で、しかも高官レベルで行いたいのではないかと思う。少なくともトランプ氏が現れるようなことがなければ(プーチン大統領が来るのは)極めて難しいと思います」

もし、13日から中東を訪問予定のトランプ氏がトルコに来ることになれば、プーチン氏が交渉の場に出てくる可能性もあるとした上で、「高官同士」による“直接交渉”であれば、実施される可能性は高まると指摘。

その場合、停戦は実現するのでしょうか?

ロシア政治に詳しい 慶応義塾大学 廣瀬陽子教授
「プーチン氏が考えているのは、とりあえずトランプ氏をだましだまし満足させて時間稼ぎするのに終始。(時間稼ぎして)できる限り有利な状況をより強化して、その上での停戦が有利ですよね。(今回の交渉での)停戦は非常に難しいと思います」

(5月12日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年5月13日 1:23