北朝鮮、金剛山観光再開の協議を韓国に提案
北朝鮮は14日、韓国政府に対し、08年から中断している北朝鮮の金剛山と開城への観光事業を再開するための協議を行いたいと提案した。
北朝鮮アジア太平洋平和委員会は14日午後、「南北の軍事境界線を越えて金剛山と開城を訪れる観光事業を再開するため、26日から27日にかけて実務接触を開きたい」と提案するファクスを韓国統一省に送った。
金剛山観光は08年7月、韓国人観光客が北朝鮮兵に殺害されたことを受け、中断。これをきっかけに南北関係がさらに悪化し、開城観光も08年12月に中断された。観光事業を行う韓国の「現代グループ」玄貞恩会長が09年に北朝鮮・金正日総書記と会談し、再開することで合意したが、韓国側は「政府間の合意が必要だ」と認めていなかった。
今回の提案について、韓国統一省は「これから検討する」としているが、協議には応じるとみられる。
北朝鮮としては、外貨獲得につながる観光事業を再開するとともに、このところ進めている韓国との関係改善の動きを加速させる狙いがあるとみられる。しかし、金剛山観光をめぐっては、韓国が観光客殺害現場の調査や再発防止策を求めたことに北朝鮮が反発して中断に至ったという経緯があり、協議で北朝鮮が韓国側の要求を認めるかどうかが、北朝鮮がどこまで関係改善に意欲があるのかを測るカギとなる。