電子制御システム「不具合ない」トヨタ社長
「トヨタ自動車」のリコール問題で、アメリカ議会下院で24日、2回目の公聴会が開かれ、豊田章男社長が証言に立った。豊田社長への質疑は、3時間以上にわたって行われた。議員たちから質問が相次いだのは、電子制御システムに不具合があるのではないかという点だった。
議員「電子システムに問題があるのではないですか?」
豊田社長「トヨタ車で事故に遭われた方には本当に申し訳ない。徹底的に色々な再現テストを昨日までやってきている。今までトヨタ社内でやってきた限り、問題はございません」
議員「以前から顧客から苦情があったのでは?」
豊田社長「社長になる前に情報が入っていたかというと、正直、認識は今のレベルではございません」
豊田社長はアクセルペダルの不具合を認識したのは去年末だったことを明らかにした上で、電子制御システムについては「不具合はない」と従来の主張を繰り返した。
また、事業拡大を急ぎすぎたことが大規模リコールにつながったとの認識を示し、「品質・安全」を最優先する基本姿勢に立ち返るとの決意を強調、リコール対象車による事故については謝罪した。しかし、発言内容によってはトヨタ批判が強まることを警戒してか、慎重な物言いに終始したため、議員からは不満の声も上がった。
議員「豊田社長、私はあなたの証言に満足していません」
豊田社長「私は日本から公聴会に足を運び、真摯(しんし)に気持ちと心を伝えているつもりだが、説明が足りないという指摘は謙虚に反省したい」
公聴会終了後、豊田社長は会場を足早に後にし、販売店の従業員らの集まりに出席した。緊張から解き放たれたためか、涙を見せる場面もあった。
豊田社長「公聴会で私は一人じゃなかった。皆さんや皆さんの同僚、アメリカ中の…そして世界中の…」
「自分が唯一、リーダーシップを発揮できる男」と公聴会で語った豊田社長。「安全・品質」を最優先するトヨタに再生することができるのか。アメリカからは引き続き、厳しい目が向けられている。来月2日には、アメリカ議会上院もトヨタに関する公聴会を開催する予定。