北朝鮮の元大佐、欧州からの密輸の手口語る
ヨーロッパから北朝鮮向けに武器やぜいたく品などの密輸に携わっていた北朝鮮の元大佐がNNNの単独インタビューに応じ、密輸の手口などを明らかにした。
北朝鮮の元大佐・金正律氏(75)は、オーストリアなどで74年から94年まで、北朝鮮向けに物資を密輸する任務に就いていた。しかし、その後、任務に疑問を持って逃亡した金氏は、潜伏生活の間に身につけたという日本語でインタビューに応えた。
金氏は、高級車などのぜいたく品のほか、拳銃などの武器も北朝鮮に送っていたという。「特別に良い拳銃をたくさん買った。発射しても音が消せる銃とか。独裁者は金を絶対に惜しまない」と話した。
調達した物資は、隣国のスロバキアから北朝鮮への特別便やシベリア鉄道を使って運んだという。「なぜ密輸が可能だったのか」という質問に、金氏は「(当時、ヨーロッパには)密輸を仲介する会社がたくさんあった。なぜ仲介するかといえば、(マージンで)30%値段を上乗せするから」と話した。
逃亡後、16年にわたる潜伏生活を続けていた金氏だが、今回、自らの体験をまとめた本の出版を機に、オーストリア政府に政治難民の認定を申請したという。