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記者が挑戦!中国でのグーグル検索

2010年3月23日 20:05

 インターネット検索大手「グーグル」は22日、中国本土で展開している検索サービスを事実上停止すると発表した。中国国内でのグーグル検索はどうなるのか、市民はどう受け止めているのか、中国総局・勝田真司記者が報告する。

 NNNの北京支局の事務局でパソコンに「グーグル・ドット・チャイナ」と入力すると、香港のグーグルのサイトにつながる。試みに「日本」と入力すると、普通に検索結果が出る。しかし、非常に微妙な問題である20年前の「天安門事件」や、「ダライ・ラマ」などを入力すると、何も表示されない。グーグルが「自主検閲」していない香港のサイトに入ることはできても、中国では見ることができないのだ。中国が神経をとがらせる情報について自由な閲覧ができない状況には、何の変化もない。

 グーグルの決定は、中国の市民の間でも大きな波紋を呼んでいるが、賛否は分かれている。一方、中国政府は強く反発し、日本時間23日午後4時ごろ、外務省の会見で「我々が(検閲を通して)防いでいるのは、国の安全や社会の利益に有害な情報の伝達だ」と述べるなど、検閲の正当性を主張している。

 これまでグーグルは中国政府と交渉していたが、結局、交渉はまとまらなかった。中国が一貫して強硬姿勢を貫いた背景には、中国政府が「社会の安定」を最も重要視していることがある。「言論や表現の自由を許せば、社会の安定が揺らぐ可能性がある」と認識しているのだ。格差の広がりや腐敗の横行、最近の不動産価格高騰などでマグマのようにたまっている市民の不満を爆発させたくないとの危機感がある。表現の自由や人権、経済などでアメリカからの圧力が強まる中、中国政府が歩み寄る可能性は低いとみられている。

 しかし、これ以上摩擦が激化し、特に経済面で悪影響が出ることは是が非でも避けたいという意思はあり、対話は続けられるものとみられる。