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2010年5月5日 15:02

ミャンマー「閉ざされた首都」の実態とは?

ミャンマー「閉ざされた首都」の実態とは?
(c)NNN

 軍事政権による独裁政治が続くミャンマーの首都・ネピドーに、NNNの取材班が入った。海外メディアに公開される機会がほとんどない「閉ざされた首都」の実態に迫った。

 毎年3月27日に開催されるミャンマー軍の創設記念パレードには、今年も1万人の精鋭が動員され、軍事政権の威光を見せつけた。このパレードが行われたのがネピドーで、今年、3年ぶりに海外メディアに公開された。

 ネピドーへ行くには、車が唯一の手段。かつての首都・ヤンゴンからひたすら北へ走ること300キロ。道中には街らしいものはほとんど見えない。ネピドーは05年に軍事政権が突然、首都の移転を発表し、ジャングルを切り開いてつくられた人工都市で、海外メディアに取材が許可されたことは数えるほどしかない。

 街では、国家施設をはじめ、ホテルや店舗などの建設作業が現在もあちこちで続いている。人口は約20万人で、そのほとんどは公務員。彼らの住まいは国家によって整備されていて、一般公務員には団地のアパート、高級官僚には庭付きの一戸建て住宅が提供される。

 しかし、人口規模の割に街に人の気配は感じられない。ヤンゴンが現在も数百万の人口を抱える国内最大の都市で生活感や活気にあふれているのに比べると、ネピドーはいかにも統制された人工都市といった印象を受ける。数少ない娯楽施設の一つである動物園も人の姿はまばらだ。

 軍事政権がネピドーに首都を移転した理由ははっきりしていない。「位置的に国土の真ん中にあるため、国内を統制しやすい」「海から遠いほうがほかの国から攻撃を受けにくい」という政治・軍事的な推測から、「政権幹部が占い師にアドバイスされた」というものまで様々な説がある。

 軍事政権は今年、20年ぶりに総選挙を行って文民に政権を譲ることにしているが、軍事パレードで政権トップのタン・シュエ議長は「総選挙は民主化への第一歩に過ぎない」と述べ、国内外の民主化勢力をけん制した。混乱を防ぐためとして、軍が今後も政治にかかわり続ける姿勢を示唆したのだ。

 「王の都」という意味を持つネピドーに今後君臨するのは、結局は軍ということになるのだろうか。