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スーパー細菌「パニックになる必要はない」

2010年8月18日 11:25

 抗生物質がほとんど効かない「スーパー細菌」に感染している人が欧米で急増していることが、イギリスなどの研究チームの調査でわかった。研究チームは「パニックになる必要はない」としている。

 新たに報告されたのは「NDM-1」という遺伝子によって大腸菌などの耐性が強くなった細菌で、抗生物質がほとんど効かない。この遺伝子は細菌から細菌へと広がりやすいため、研究チームは「パニックになる必要はない」とした上で、「患者を隔離するなど感染拡大を防ぐことが重要だ」と指摘している。

 イギリスでは、この1年半で50人以上が感染、ベルギーでは男性1人が死亡した。多くの患者がインドやパキスタンで事故に遭うなどして、病院で処置を受け、帰国していた。このため、発生源はインドやパキスタンとみられている。このほか、アメリカやオーストラリア、オランダなどの欧米で感染者が出ていることから、専門家は感染拡大を防ぐため、世界的な監視を呼びかけている。