9.11を風化させるな!中学校で授業開始
01年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ(9.11)からまもなく9年。こうした中、アメリカで、この事件を学校の授業として本格的に教える試みがスタートした。
同時多発テロを題材にした授業を始めたのは、ニューヨーク近郊にある公立中学校。事件についてタブー視せず、率直に語り合うことで、助け合いの精神を学ぼうという試みだ。
8日は、子供たちが描いた絵をきっかけに議論が始まった。
教師「同時多発テロの絵を描いた子供は、何を表現したかったんでしょう?」
生徒「悲しみだと思います」
教師「悲しみね。その通り」
続いて、困っている人を助けるための具体策が話し合われ、生徒からは「服や靴を売って寄付金を集めるのはどう?」といった案が出された。
授業に参加したのは、日本では中学1年にあたる生徒たち。同時多発テロが起きたときは3歳で、「テロのことは覚えていません」と話す生徒もいる。
「同時多発テロを知らない世代に、テロの事実を前向きにとらえ、世界を良い場所にしてほしいと願って、授業を始めました」-同時多発テロを学ぶ取り組みを始めたアデル先生は、同時多発テロの衝撃を前向きな力に変えることが大切だと訴える。
事件を風化させず、教育に生かしていこうというこの試みは、今後、全米の1万の教室で採用される予定。