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貧困撲滅目指し、菅首相が支援策を発表

2010年9月23日 14:27

 アメリカ・ニューヨークに到着した菅首相は日本時間23日午前、貧困撲滅などを目指す「国連ミレニアム開発目標サミット」で早速、演説した。菅首相は、首相となって初めての国際会議での演説を、英語ではなく日本語で堅実に行った。

 菅首相は演説で、途上国の自立的な発展を目指すことは、自らが掲げる「最小不幸社会」の理念にも通じるとした上で、保健と教育の2つの分野で15年までに約7200億円を拠出する支援策を発表した。特に保健分野については、自らが薬害エイズ問題に取り組んだ経験を背景に、日本が積極的にかかわっていく姿勢をアピールした。

 まずは自らの得意分野で今回の外遊に弾みをつけたかった菅首相だが、沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件で日中の対立に歯止めがかかわらない情勢。事態打開に向け、仙谷官房長官は政府高官による協議を模索したが、中国外務省はこれを拒否し、国連総会の場で日中両首脳が顔を合わせる機会があるにもかかわらず、接触の見通しは立っていない。

 菅首相としては図らずも、世界が注視する中で国の主権にかかわる難題に対応を迫られた格好となっている。