後継者・金正恩氏を説明、中国も世襲を容認
北朝鮮・金正日総書記は、中国政府の高官に対し、後継者に決まった三男・正恩氏について説明した。中国側はこれに対し、正恩氏の訪中を要請した。中国から世襲の容認を取り付けた形となった。
北朝鮮は10日の朝鮮労働党創立65周年の記念日に続いて、11日も祝日で休みとなった。平壌の中心部は人通りも多く、外国メディアが宿泊するホテル近くの屋台も多くの市民でにぎわっていた。
労働党の代表者会からわずか2週間だが、北朝鮮は急ピッチで正恩氏の存在をアピールし、「後継者が確定した」というイメージを内外に植え付けることに成功した。
その戦略は、友好国として重視する中国に対しても発揮された。中国・周永康政治局常務委員は10日の軍事パレードなどで常に2人のそばにいて、後継体制の構築を中国が支えていることを印象づけた。周常務委員は「適切な時期に金総書記と新指導部の中国訪問を要請する」という胡錦濤国家主席のメッセージを伝えた。これは新指導部の一員として正恩氏の中国訪問を要請し、世襲を容認した形。
「若く力に満ちた同志を起用し、指導部を整えた」と説明したという金総書記。中国に自らの体制維持を保証させるという意味でも大きな成果があったといえそうだ。