史上最多の入場者数、上海万博が閉幕
史上最多の入場者数を更新した上海万博が10月31日、閉幕した。万博が中国にもたらした意義は何なのか、藤田和昭記者が報告する。
「上海万博はイベントとして成功しました。見学者は7000万人を超え、新記録です」-温家宝首相が胸を張るのは、懸念されていた大きなトラブルもなく、入場者数が70年の大阪万博を抜いて史上最多を記録したためだ。
中国が内外に強くアピールした上海万博の「成功」は、国を挙げての取り組みで、力ずくで成し遂げた結果と言える。その背景には、中国ならではの人海戦術があった。武装警察や軍を大量動員することで混乱やテロを抑え込み、史上最多の入場者数も企業や学校に動員をかけるという力業で達成した。
専門家は、上海万博の経済効果について、北京オリンピックの3.5倍にあたる1兆5000億円に上り、万博園内での消費額も予想を約3割上回ったと計算している。万博をきっかけに、中国全土に消費の習慣が一層広まり、消費マーケットがさらに拡大する起爆剤になったと言える。
万博の敷地は今後、再開発される予定で、金融センターや新興産業の拠点にする案が浮上している。また、上海では近く、上海ディズニーランドが着工される予定で、万博後もビッグプロジェクトを次々と行い、高い成長率を維持しようという試みが続く。