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韓国、6か国協議開催に消極的な姿勢を示す

2010年11月29日 3:33

 北朝鮮が韓国・延坪島を砲撃して朝鮮半島の緊張が高まる中、中国・武大偉朝鮮半島問題特別代表は28日午後に会見し、来月上旬に、北朝鮮の核問題について話し合う6か国協議の参加国が集まって緊急協議を開くことを提案した。これに対し、韓国は「非常に慎重に検討されなければならない」と消極的な姿勢を示した。

 提案の背景には、中国の指導部が置かれた苦しい立場がある。哨戒艦沈没事件の際には、朝鮮半島西側の黄海での軍事演習にアメリカの空母が参加することを阻んだが、北朝鮮の暴走を止められず、その結果、米韓は今回の軍事演習に踏み切った。こうした中で打ち出したのが「6か国協議の首席代表による緊急会合」だった。

 ただ、日・米・韓は「北朝鮮が核の放棄に向けた行動を見せるべきだ」と、ただでさえ「6か国協議」には慎重な姿勢を示している。そこで中国が説得材料にしたのが、協議の性格を変えることだった。

 武朝鮮半島問題特別代表「私が強調したいのは、今回の会合は6か国協議の再開を意味せず、協議再開のための環境づくりに役立つことを期待するものだ」

 核問題そのものではなく、哨戒艦の沈没や砲撃事件といった「各国が関心を持つ重大な問題」について意見を交わすという形にして、日・米・韓を対話の場に引きだそうという狙いだ。しかし、被害者である韓国は、即座に「開催は、非常に慎重に検討されなければならない」と消極的な姿勢を示した。

 北朝鮮にとっても、会合が一方的な責任追及の場になることは受け入れられるものではない。中国は、北朝鮮・金正日総書記の側近の一人、崔泰福書記を30日から公式に招へいし、北朝鮮との交渉も本格化させるが、緊急会合が開催にこぎつけられるかどうかは不透明だ。