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延坪島で砲撃訓練 北からの砲声確認されず

2010年12月20日 17:50

 韓国軍は20日午後、先月23日に北朝鮮の砲撃を受けた延坪島で砲撃訓練を行った。「もし、砲撃訓練を強行するなら2度目、3度目の打撃を加える」と報復を示唆していた北朝鮮だが、北朝鮮側からの砲声などは確認されていない。

 韓国国防省は「これまでのところ追加の挑発行為はない」と話している。ただ、北朝鮮軍は延坪島の対岸で海岸砲を前進配置するなど訓練に備える態勢を取っていることから韓国軍は警戒を続けており、住民の避難措置もまだ解除されていない。

 今回の訓練に関しては、北朝鮮だけでなく、中国やロシアも「地域の安定を損なう」と反対していた。それでも韓国が訓練に踏み切ったのは、このままだといつまでたっても延坪島の周辺で訓練を再開できず、結果的に「自らの領海だ」と主張する北朝鮮の思惑通りになってしまうという危機感があったため。北朝鮮に対して打てる手が限られる中で、断固とした姿勢を示す必要もあった。

 ただ、その一方で北朝鮮が報復を行うような事態になれば、「危機を高めた」という非難になって跳ね返ってくる。日米韓ともこれ以上緊張が高まるのは避けたいのが本音で、李明博大統領は難しいかじ取りを迫られている。