ハイチ大地震 コレラとの闘いが課題に
ハイチで22万人以上の死者が出た大地震からまもなく1年。現地では、コレラとの闘いが新たな課題となっている。正田千瑞子記者が報告する。
ハイチの首都・ポルトープランスは活気を取り戻しつつあるが、大通りの脇には崩れた建物も目立っていて、シンボルの大統領宮殿も1年前とほぼ変わらぬ姿のままだ。
ハイチでは、大地震から約1年たった現在も約130万人が難民キャンプなどで暮らしている。このような人口密集地の最大の課題はゴミ問題で、排水溝や川がゴミ捨て場になっていて清潔な水を確保するのが難しい状態だ。こうした不衛生な環境がコレラの爆発的な感染をもたらし、感染者は約15万人、死者は3000人を超えるなど猛威をふるっている。ポルトープランスにある治療センターの患者数は減ってきたというが、地方では深刻な状態となっている。国連は、半年で最大65万人が感染すると警告している。
コレラは適切な治療がされれば死亡率は低い病気で、ハイチでは、衛生教育の徹底や予防知識の普及が急務となっている。