日中安保対話再開、中国側は関係改善に意欲
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件による関係悪化で中断していた日中の外務・防衛当局者による安全保障をめぐる話し合いが20日、中国・北京で再開した。中国側は、日本の新防衛大綱に懸念を示したものの、関係改善と軍事交流の再開に強い意欲を示した。
12回目となる日中の外務・防衛次官級による「安全保障対話」は、北京の中国外務省で行われた。中国側は、中国を地域の懸念事項とした日本の「新防衛大綱」に対して懸念を示したが、東シナ海などで不測の事態を防ぐため緊急連絡メカニズムを構築することや、中断している軍事交流の再開に強い意欲を示した。
一方、ステルス戦闘機や空母の開発、不透明な軍事費に懸念を示した日本側に対し、中国側は「ステルス飛行機は実験段階で、空母は今はまだ持っていない」と述べた上で、「一貫して平和的発展という国家戦略を取っている」と、従来通りの立場を繰り返した。